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2021 Fiscal Year Research-status Report

アジア7ヶ国の倒産法制の特徴と背景要因分析ー中小企業経営者の視点とビジネス文化

Research Project

Project/Area Number 21K01230
Research InstitutionSBI Graduate School

Principal Investigator

小林 秀之  SBI大学院大学, SBI大学院大学 経営管理研究科, 教授 (30107495)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安達 明久  新潟産業大学, 経済学部, 教授 (10552474)
村上 正子  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10312787)
齋藤 善人  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (60362092)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords倒産法制 / 国際比較 / アジア / ビジネス文化 / 中小企業
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、中国、タイ、ベトナムなどアジア7ヶ国の倒産法制について、各国の最新状況を整理するとともに、日本と比較した特徴について分析整理することを目的としている。さらに、その様な倒産法制の特徴、およびその背景となっている社会経済的要因(経済体制、ビジネス文化など)を、定量的実証的手法により明らかにすることを目指している。初年度である2021年度の主要な研究実績は、次の3点である。
①世界銀行の「Doing Business Index : Resolving Insolvency 」、米国トムソンロイター社の「Practical Law:Restructuring and Insolvency Global Guide」、さらには、英国Chambers and Partners社の「GLOBAL PRACTICE GUIDES」の各データベースによる英文資料、およびJETROなどによる各種日本語文献を基に、研究対象としたアジア7ヶ国の過去20年間の倒産法制等に関する法整備・法改正状況を俯瞰整理する作業を実施した。
②2022年度において予定している各国倒産法制の詳細比較に関する基礎資料とすべく、関連法令の英語訳、または邦訳の収集整理を実施した。具体的には、国際倒産法制研究所の各国倒産法制データベースにおける英訳法令をコアとしつつ、JETROなどの有する各国関連法制の邦訳資料等を補完的に収集利用する方法をとった。
③2022年度に当初予定していた第4段階の作業を一部繰り上げ実施した。すなわち、アジア7ヶ国の倒産法制の特徴に関する要因分析の準備作業として、ビジネス文化の特徴がどのように倒産過程における関係者間の交渉スタイル、さらには、各種の仲裁・調停や裁判制度の利用パターンとリンクしているかについて、国際マーケティング論などを応用しつつ基礎的知見を整理する作業を前倒しで実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画としては、全体を4段階に分割し、初年度の2021年度においては、第1、第2段階の作業として、世界銀行「ビジネス環境指標」の「倒産法制;Resolving Insolvency Index」などを基に、アジア7ヶ国の過去20年間の倒産法制等に関する法整備・法改正状況を俯瞰整理すること、および、研究協力機関の各国現地事務所等を通じて、研究対象国7ヶ国における倒産法制等に関する法令、代表的判例の収集整理を実施することとし、2022年度以降において、第3、第4段階の作業として、海外ヒアリング調査を実施し、日本と比較した各国の倒産法制の特徴把握、および、国毎の倒産法制の特徴に関する背景要因(例 ビジネス文化、経済体制、宗教等)の抽出を行うこととしていた。
しかるに、初年度の2021年度においては、前述したように、第1段階の作業については、概ね初期の目標を達成することができたが、第2段階の基礎資料収取のうち、各国における代表的倒産判例の収集については、新型コロナ禍により現地法律事務所訪問が困難となり、事例収取の機会を失したことなどから延期とし、2022年度以降実施とせざるを得ない結果となった。
他方、前述したように、2022年度に当初予定していた第4段階の作業の一部、すなわち、アジア7ヶ国の倒産法制の特徴に関する要因分析の準備作業として想定していた「ビジネス文化の特徴がどのように倒産過程における関係者間の交渉スタイル、各種の仲裁・調停や裁判制度の利用パターンとリンクしているかの分析」については、、文献調査が主であり、海外訪問調査が必ずしも必要でないことから、作業を前倒しで実施した。したがって、全体としての作業進捗は、(2)おおむね順調に進捗していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

2022年度については、前述の2021年度における成果を踏まえて、海外ヒアリング調査に重点をおき、遅れている代表的倒産判例の収集のほか、当初計画において第3段階の作業として予定している日本と比較した各国の倒産法制の特徴把握を中心に作業を実施する。併せて、第4段階で予定している国毎の倒産法制の特徴とその背景要因の抽出に関する予備的な作業を実施する計画である。第3段階の具体的な作業としては、次の2点を想定している。
①アジア7ヶ国の倒産法制の特徴を把握するための「中小企業経営者の視点」の再検討を行う。すなわち、現時点で想定している3つの視点、「倒産手続き開始と債務者財産保全手続きが中小企業にとって有利か?」、「再生再起に関する諸規定が充実しリスクへ挑戦する者への配慮がなされているか?」、「倒産手続きにおける債権者(金融機関)の協力が得やすい制度となっているか?」の妥当性について再検討を行う。
②アジア7ヶ国に共通する標準典型事例を複数設定し(事業清算と撤退、取引先企業の倒産)、倒産手続きの主要な場面毎に、上記で設定した中小企業経営者の視点に基づいて、日本との異同・特徴を俯瞰的定量的に洗い出す作業を実施する。さらに、その成果を踏まえ、修正版世銀倒産法制指数を策定し、各国毎の倒産法制における日本との相違を分かり易く数値で表示する方法を考案する。

Causes of Carryover

「現在までの進捗状況」に記したように、2021年度に当初予定していた基礎資料収取のうち、各国における代表的倒産判例の収集に関し必要となる現地法律事務所訪問が、新型コロナ禍に伴う海外渡航制限により困難となったことなどから、予算のうち相当額が未使用となり、次年度使用額が発生したものである。同未使用繰り越し分については、海外渡航制限の緩和と訪問先国における新型コロナ禍の鎮静状況を踏まえた上で、2022年度中に海外ヒアリング調査を実施する予定であり、年度内に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 日米中・東南アジア諸国のビジネス文化に関する比較研究2021

    • Author(s)
      安達明久
    • Journal Title

      新潟産業大学経済学部紀要

      Volume: 58 Pages: 1-19

    • Open Access
  • [Book] 交渉から訴訟へ : 交渉理論からみた民事訴訟2022

    • Author(s)
      小林秀之
    • Total Pages
      256
    • Publisher
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52627-3
  • [Book] 新ケースでわかる民事訴訟法2021

    • Author(s)
      小林秀之
    • Total Pages
      484
    • Publisher
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52520-7

URL: 

Published: 2022-12-28  

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