2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01260
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Research Institution | Yokohama College of Commerce |
Principal Investigator |
亀井 隆太 横浜商科大学, 商学部, 准教授 (70706910)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 弁済による代位 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は大陸法系の研究に力点を置き、フランスの現行法の研究および日本法の研究を主に行った。比較法的分析で得られた知見を基礎にして、弁済による代位制度のあり方について考察した。 フランス法の研究に関しては、研究代表者のこれまでの研究成果を踏まえつつ、フランス債務法改正に関する2016年2月10日のオルドナンス第131号(Ordonnance n.2016-131 du 10 fevrier 2016 portant reforme du droit des contrats, du regime general et de la preuve des obligations)および2021年フランス担保法改正に関する2021年9月15日のオルドナンス第1192号(Ordonnance n.2021-1192 du 15 septembre 2021 portant reforme du droit des suretes)に関して研究を行った。 2016年2月10日のオルドナンス第131号は、契約法、債務の規範、証明法の現代化、単純化、明確性の向上、法へのアクセシビリティの強化、法的確実性と規範の実効性に関するものであり、本研究との関係では、弁済による代位の各規定の改正の状況や改正の根拠などについて研究を行った。 他方で、2021年9月15日のオルドナンス第1192号は、担保法の明瞭性、アクセシビリティ、そして実効性を向上させることを目指に関するものであり、本研究との関係では、保証人の求償・代位に関するの各規定の改正の状況や改正の根拠などについて研究を行った。 日本法については昨年度と同様に、研究代表者のこれまでの研究成果を踏まえつつ、学説や判例法理を検討した。また、有力学説、民法制定当時の文献も参照し、民法(債権法)改正過程における議論を改めて検討し直した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者のこれまでの研究成果を踏まえつつ順調に進展している。 2022年度において予定していた海外出張(文献の調査)は諸事情より実施を控えた。 現在ある文献のみで研究を進めることができたが、文献の調査については今後の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後とも、2021年度からの研究を踏まえ、ドイツ法、イギリス法、フランス法日本法の研究を行う。 2023年度は、特にイギリス法や各国法の状況を主に研究する。 2022年度に検討していた文献調査のための海外出張は実施できなかった。現在のところ、やや遅れている状況であるが、海外の文献の調査に関しては、さしあたり国内に存在しているものを用いて研究を進めることとし、世界の情勢の変化に応じて海外出張を行うかどうか随時検討する。
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Causes of Carryover |
主に海外出張を控えたことによる。次年度は、比較的多くの文献の購入や海外出張等を予定しており、2021年および2022年度で出費を控えた部分から支出する。
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