2021 Fiscal Year Research-status Report
A Comparative Study of Public Guardianship Support for the Elderly Living Alone: A Swedish Perspective
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21K01277
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
藤村 賢訓 福岡大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50389384)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 公的後見 / 独居高齢者 / 意思決定支援 / 財産管理 / アドヴォカシー / スウェーデン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画に則り、我が国での司法制度によらない公的後見支援の課題を広く探るとともに、先行するスウェーデンでのコミューンを通じた高齢者支援制度に関する基礎的資料の収集を行った。また独居高齢者の財産管理につき、後見制度に基づかない入所施設運営法人による事務管理的な行われている実態と、本人死亡後の該当法人に関する特別縁故者該当性についての問題を指摘し、スウェーデンとの制度比較に関して論稿としてまとめることができた。 『高齢者福祉サービスの提供主体の特別縁故者該当性に関する検討』2022年5月発刊予定「生と死の民法学」成文堂所収予定(脱稿済)
なおスウェーデンにおいては本年1月に社会保険庁による制度改革があり、この問題を含む国家による福祉関係費用のメンテナンスサポートの見直しがされており、引き続き詳細を確認するとともに、必要な資料の分析と共に現地調査が有意義に実施するための準備を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属先の変更により、通常業務とのエフォートの面で予想外の状況も生じたものの、研究会での報告および書籍への論稿掲載を行うことができており、一定の進捗は達成したともいえるが、スウェーデンの公的立替払い制度等の改革などにつき制度の把握が十分できていないため、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に収集した資料を整理検討し、スウェーデンの社会委員会を中心とした公的後見支援の概要を精査する。当初の予定では令和3年度末にスウェーデンでの現地訪問調査を予定していたが、コロナ収束およびロシアによる武力行使の影響で北欧への渡航が困難な状況も予測されることから、現地研究者と連絡を密にし情勢を踏まえつつ、適切な時期での実施可能性を探りたいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ情勢により研究集会及び研究打ち合わせがリモート開催となったため旅費が執行不要な状況となった。同時に研究補助支援として想定していた大学院生などの人的支援も困難であったため人件費も執行できなかった。なお令和4年度は当初の研究計画によればスウェーデンでの現地調査を可能な限り実施予定であるが、コロナ情勢およびロシア武力行使関係での北欧の不安定化との関連で注視している。
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