2023 Fiscal Year Research-status Report
首相経験者の日録データを用いた政治家と政治報道の分析
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21K01290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御厨 貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (00092338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891)
手塚 洋輔 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
佐藤 信 東京都立大学, 法学政治学研究科, 准教授 (70761419)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 首相経験者 / 日録データ / 政治報道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新たに発見された首相経験者が残した詳細な記録(日録)と、当時の報道資料を精密に照合することにより、今までにない精度で政治家と政治記者との相互関係を明らかにするとともに、派閥リーダーや首相を歴任した政治家の実相を浮き彫りにすることを通じて、晩期五五年体制の政治史を再構築することを目的とする。 第3年度である2023年度においても、前年度と同様に、資料としてアクセス可能な日録の分析を先行するスタイルを継続した。加えて、本研究課題の知見を活用する形で、政治とメディアに関して幅広く検討し、ポスト安倍の状況下においてますます混迷を極める国内政治についての迅速な分析と社会に向けて積極的に発信することを継続した。 かかる点での研究実績として、第1に、前年度から継続し、『安倍晋三回顧録』の分析を進めた。その成果については、書籍への寄稿や、雑誌対談等の形で公表した。第2に、研究代表者がかつて関わったオーラル・ヒストリー対象者が鬼籍に入っていることに鑑み、資 料の保存状態の確認も含めてその振り返り作業を進めた。またそれと同時に、当時の聞き取り状況についても聞き手側の視点を記録に残す趣旨の小論を発表した。第3に、本研究課題と密接な関係を持つ宮澤喜一元首相の日録資料について、本研究課題の知見を踏まえて、公表に協力し、その一部は新聞報道により発表されている。第4に、本研究課題のテーマとも関連して、政治学以外の研究者等との対話も積極的に行い、その成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までの新型コロナウイルス感染症の影響により、対面調査を基本とするような対象者との綿密なアクセスは継続が困難であると判断し、研究計画を一部変更しつつ代替的な方法を模索しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題としては一定の進捗が見せているものの、最終的なとりまとめまでには至らなかったため、研究期間を延長し、成果の取りまとめに向けた作業を精力的に進める予定である。
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Causes of Carryover |
対面での研究会に必要な旅費を中心に未使用額が発生した。今後、対面実施を行う際の旅費又は代替措置に必要な費用に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)