2023 Fiscal Year Research-status Report
ロシアにおける個人支配型権威主義体制の持続:正統性の言説と社会の受容
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21K01306
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
溝口 修平 法政大学, 法学部, 教授 (20648894)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロシア / 権威主義 / 正統性 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,第一に,ロシアの権威主義体制がどのようにその統治の正統性を獲得しているかについて研究を進めた。これについては,2020年にロシアで大規模な憲法改正が行われたことについて詳細な分析を行った。また,近年世界的に憲法改正を利用して漸進的に権威主義化が進む事例が多いことに鑑みて,これらの事例を地域横断的に比較研究した。その結果,「危機の克服」を掲げてそのような憲法改正を正当化し,ナショナリズム・ポピュリズムを利用して独裁者は国民の支持を調達することを明らかにした。 第二に,そうした体制側の戦略に対して国民がどう応答しているかについても検討した。特に,クリミア併合とウクライナ侵略という2つの事例で起きた旗下結集効果の違いを分析しながら,ロシア社会のどのような層がプーチン政権の支持基盤になっているかを考察した。その結果,近年のロシアでは所得・教育水準の高い層がプーチン政権をより強く支持する傾向が継続していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロシア・ウクライナ戦争が継続する中で,戦況の変化を見ながら当初の研究課題を遂行することに想定以上の時間を費やすことになった。また,戦争開始以来,現地調査が困難であったり,国家機関のウェブサイトの閲覧もできなくなったりと,情報収集が難航しているため,予定通りの研究遂行が困難になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに現在のロシアにおける政府と国民の関係を明らかにするという形で,本研究全体を総括することを目指す。 また,本研究を発展させて2025年度から国際共同研究を本格的にスタートするために,共同研究者との意見交換と情報共有も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた現地調査が,ロシア・ウクライナ戦争の影響で実施できなかった。 次年度は国際学会で成果報告を行う予定であり,現地調査に充てる予定であった旅費を学会への渡航費として活用する。
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