2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01326
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 隆 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50446605)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中国政治 / 政治エリート |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる2022年度は主に以下の実績があった。これらはおおむね、初年度の延長発展といえる。 第一に、中国の政治エリート研究と中国政治分析への貢献である。本研究では、習近平という政治家に焦点を当てて、習氏の個人研究と今日の中国政治の動向分析の2つを分析の視野に入れている。今年度は計2本の論文と計4冊の共著書を発表した。ほかに学会発表を1回行った(2021年度は計4本の論文と資料紹介、計1冊の共著書)。これらはすべてreseachmapに掲載済みである(https://researchmap.jp/ta_suzuki)。 共著書のうち、川島真・小嶋華津子編『UP plus 習近平の中国』(東京大学出版会、2022年)では、先行研究でほとんど使用されたことのない中国側の「内部発行」資料を用いて、習近平の政治家像を総合的に考察した。2022年10月の中国共産党第20回党大会、及び、2023年3月の全人代会議によって第3期政権を発足させた習近平の政治認識やリーダーシップを理解するうえで有益といえよう。 第二に、一般社会への研究成果の還元である。既発表業績の多くは、学術誌のみならず、書籍や一般誌、ウェブサイトへの掲載などを通じて社会に広く公開されている。また既述のとおり、2022~2023年は、党大会をはじめ、中国政治における重要なイベントを数多く実施され、習近平政権も3期目に突入した。こうした状況について、筆者は本研究で得られた知見を基に、新聞などのメディアにコメントや解説を行った。ほかにも官公庁主催のセミナー講師を務めるなどした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は主に、以下の2つの取り組みを実行した。 a)本研究に関連する資料収集を行った。 b)地方指導者時代と党総書記就任以降の各時期における習近平の政治論、リーダーシップの特徴などについて、論文発表を行った。 a)に関して、2021年度と同じく、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、国内外への出張・資料調査ができなかった。その代わり、公開文献を中心に書籍や雑誌を収集した。 以上の結果、総合的にみて、おおむね順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究の最終年度であり、研究の総括を行う。これまでと同じく活字媒体での成果発表を積極的に進めるとともに、著書刊行の準備を進める。 また、新型コロナ感染症のため、2021~2022年度に実施できなかった中国・台湾での現地調査を行う。その際、資料収集のほかにインタビュー調査も実施する。 今年度と同じく、新聞等のメディアでの意見発表、地域連携活動の一環としての一般向け講演会などへの登壇も予定している。
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Causes of Carryover |
2021年度と同じく、2022年度も、新型コロナ感染症と中国でのゼロコロナ政策(2022年12月終了)の影響により、当初計画で予定していた中国での資料調査が実施できなかった。そのため、海外出張のため旅費、及び、それに関連する人件費と謝金が支出されなかった。代替案として、海外出張での調査・収集対象としていた中国語現地新聞やその他関連資料(主に中国語書籍)を仲介業者を通じて購入することで、研究の進捗を確保した。 この結果、旅費として見積もっていた一部資金が余った。2022年末に中国のゼロコロナ政策が解除され、台湾出張も十分に実施可能な見込みとなった。今年度は海外出張での旅費が昨年度よりは増える見込みである。
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Research Products
(7 results)