2023 Fiscal Year Annual Research Report
定性的・定量的手法によるアメリカ人民党の再検証:パラノイアか、民主主義の改革者か
Project/Area Number |
21K01333
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
西川 賢 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10567390)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 人民党 / 計量テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
二年間で集めてきた人民党政治家(Weaver, Bryan, Baker, Watson, Allen, Cannon, Kem, Peffer)、共和党・民主党政治家(Taft, Parker, Theodore Roosevelt, McKinley, Harrison, Cleveland)、社会党政治家(Debbs)などの文書資料に加えて、最終年度である2023年には現地調査をコロナ後にようやく再開し、米国議会図書館にあるAlton B. Parker Papersを収集し、19世紀アメリカのポピュリズム政治家の言説分析に必要な文書類の収集をほぼ終えた。それらの文書を電子データ化して計量テキスト分析を行うつもりであったが、文書を電子化するとOCR加工した際に大幅に文字化けしたり、文字を認識しないことが判明したため、それらを修正する膨大な作業が必要となった。クラウドワークスを通じたヒューマンコンピュテーションと生成AIによる修正作業でそれを進めたが、この作業にほとんどの時間を費やさざるを得なかった。研究期間終了後も収集したデータを加工する作業を続けて、論文化できるようにデータベースの完成を目指して研究を継続していきたい。成果としては、19世紀の人民党から出た大統領候補全員の文書データ、残存する人民党議員の文書データ、民主党・共和党の大統領候補の選挙文書の全データ、そして社会党のユジン・デブスの文書データの全てを収集することができた点である。これだけ網羅的なコーパスデータは米国にも存在しないであろう。このデータの整備が終わり、これを使って論文を作成した後には、著作権に問題がないかどうかを確認の上、共有財産としてこのデータを一般公開したいと考えている。
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