2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K01356
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
青山 瑠妙 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (20329022)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中国 / 対外政策 / 政策決定 / 北斗 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においては、中国と各地域機構との間で締結した合意文書(アクションプランを含む)に関する資料収集を行った。また、習近平体制下で政策決定の在り方が大きく変化し、またそうした変化が中国と各地域機構との間の協力枠組みを通じた中国の対外関係の在り方に変容をもたらした。そこで、今年度において、中国版GPSである北斗をケースに、習近平体制下の政策決定の変化、並びに中国と各地域機構との間の協力枠組みを通じた北斗にかかわる対外政策の展開を分析し、論文をまとめた。 中国は2030年までに宇宙大国になることを最重要国家目標としており、北斗航法衛星システム(BDS)の立ち上げと「BDSグローバルネットワーク」の推進を国家の優先課題としている。デジタル時代の到来を告げる「第4次産業革命」の重要な先端技術となるBDSは軍事と民生の両方に応用されていることことから、BDSに焦点を当てることで、中国がどのように軍民両用の技術を探求し、中国の国際的な影響力を拡大させているかについて理解を深めることができる。論文「China’s dichotomous BeiDou strategy: led by the party for national deployment, driven by the market for global reach」では、政策決定プロセスの再編により、中国は国内で国家主導の国家戦略を用いて、国際社会において市場主導のアプローチで国際影響力を拡大させていると論じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度において、予定通り、中国と各地域機構との間で締結した合意文書(アクションプランを含む)に関する資料収集を行った。 また習近平体制下における政策決定プロセスの変化、そうした変化が対外政策の実行に与える影響について、論文をまとめ、SCOPUS収載の雑誌Journal of Contemporary East Asia Studiesに掲載した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては、中国と各地域機構との間で締結した合意文書(アクションプランを含む)に関する資料を分析し、中国の「パートナーシップ・ネットワーク」の特徴を明らかにする。。 同時にノード(node)やリンク(link)を駆使する社会構造の分析方法である「ネットワーク」(NA)に関する先行研究を踏まえ、抑止における同盟国のコミットメント、信頼性(credibility)を重視する「同盟」と比較しつつ、中国の「パートナーシップ・ネットワーク」の強みと限界を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で、海外出張が難しかったため
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