2022 Fiscal Year Research-status Report
Preferences of Japanese and European citizens regarding trade policy: Survey Experiment Study in Japan, Italy, and Germany
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21K01371
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤田 泰昌 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40584694)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 貿易 / 世論 |
Outline of Annual Research Achievements |
貿易政策に対する日欧世論を左右する要因は何か。パンデミックや安全保障要因は大きな影響を与えているのか。この問いを明らかにするという本研究の目的に向けて、2022年度に行ったことは、大きく分けて3つある。 第1に、当初の計画通り、イタリアの研究協力者との打合せを重ねたうえで、日本・ドイツ・イタリアの3カ国においてオンラインでのサーベイ実験を実施した。 第2に、上述のサーベイ実験で収集されたデータの分析を進めた。その結果、いずれの国においても、人々の貿易政策に対する考え方に対するパンデミックの影響はあまり見られないことが分かった。他方で、安全保障要因が(経済的要因以上に)影響を与えていることが、いずれの国においても確認された。政府レベルのみならず一般の人々においても、そしてアメリカのような大国のみならず日欧諸国においても、国際経済のあり方を考えるにあたって、安全保障や地政学といった要因が重視されていることが確認された。今後の国際貿易体制を考える上で、重要な示唆が得られた。こうした分析結果を踏まえて、学会発表および論文投稿に向けた準備を進めた。 第3に、貿易以外の政策に対する人々の意見に、新型コロナがどのような影響を与えているのかについて、世論調査データの分析を行った。新型コロナへの対応として政府が行った政策群(移動の制限や経済補償など)への評価には、政党支持などが影響をしていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに、調査実施および分析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は研究協力者との打合せを重ねつつ、学会発表や論文投稿を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
サーベイ実験を実施するにあたり、(国内の調査会社よりも安価で委託できる)海外の調査会社を利用することとした。そのため、為替レートの変動に備えて、2023年度分の使用額を2022年度に前倒しを行った。結果的に、この前倒し額を使用せずに済んだため、次年度使用額が生ずることとなった。元々の予定通り、学会参加のための旅費などに使用する予定である。
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