2022 Fiscal Year Research-status Report
An Axiomatic Approach to Information Acquisition under Ambiguity
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21K01386
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
武岡 則男 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80434695)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報獲得 / 曖昧性 / 合理的不注意 / 実験 / 情報構造 / ベイズ整合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報獲得問題とは、不確実性に対して事前確率を持つ個人が、追加情報を得るために、情報の利益と費用を考慮して最適な実験を選択するというモデルであり、経済理論の近年の潮流を形成している。一方で現実の意思決定の状況では、データ不足から単一の事前信念を形成することが難しい場合が多い。意思決定者が複数信念を持つ状況を曖昧性と呼ぶ。曖昧性下の情報獲得問題を定式化するために、本研究では公理的アプローチを採用し、曖昧性のある信念の下での情報獲得を伴う効用関数表現定理を導き出すことを目指す。この研究を通して、観測可能なデータと結びついた実証的基礎を持つ情報獲得モデルの定式化が提供される。2021年度に、先行研究の公理のうち曖昧性を排除する公理を特定化し、それをどのように一般化すれば良いかという目処を立てた。2022年度はそれを受け、考えるべきモデルとして、実験の集合を曖昧実験と解釈し、それを最適に選択するような個人の意思決定モデルを定式化した。主要結果として、そのモデルの公理的基礎を得ることができた。特に、事前確率が単一である場合には、選択可能な実験が満たすべき制約として事後確率の平均が事前確率と一致するというベイズ整合性がよく知られているが、その複数信念の時の一般化が効用関数表現の一部として導かれた点が興味深い。当初は曖昧実験を選択する費用がかからない制約付き最適化モデルを想定していたが、通常の情報獲得モデルのように曖昧実験を選ぶコストを導入して、より一般的なモデルを想定し、その応用についても研究を行なった。以上をまとめたワーキングペーパーを個人ウェブサイトに掲載した。 8月にオンラインの国際学会で研究報告を行なった他、ボストン大学、イェール大学などで対面のセミナー報告を行い、フィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた効用関数表現定理を証明し、ベイズ整合性の一般化が得られた。さらに応用上扱い易いコスト付き情報獲得モデルへの拡張研究をスタートさせることができた。それらの結果をまとめたワーキングペーパーを個人ウェブサイトに掲載した。また学会やセミナーなどで積極的に研究報告に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度からスタートしたコストつき曖昧実験選択モデルについては、応用を先行して考えたものの、その公理化はまだ得られていない。現在はいくつかの証明のアイデアを検討している段階である。2023年度以降の主要課題として引き続き検討していく予定である。海外渡航のハードルが下がったため、共同研究者のいるパリを短期訪問して集中的に研究に取り組むことも考えている。
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Causes of Carryover |
2022年度は国際共同研究強化Aで在外研究中であった。日本で開催された国際学会にはオンラインで参加し旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。2023年度は対面で開催される学会が主になるため、当初予算とこの繰越金を用いて、複数の国内出張・海外出張、および、海外研究者を招聘した国際学会開催を計画している。
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Research Products
(3 results)