2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K01407
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
上代 雄介 関東学院大学, 経済学部, 准教授 (70588201)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コア / 情報の非対称性 / 協力ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数のプレイヤーの持つ情報が非対称なときのプレイヤーの協力行動について、協力ゲーム理論の枠組みを用いて分析する。特に、協力ゲームの解概念の一つであり、配分ルールの安定性を記述する「コア」が、情報が非対称な場合にどのような性質をもつのか考察する。 当研究課題に関連して、本年度は主に以下の研究に従事した。 (1)本研究に関連して、以前に作成したワーキングペーパー(Brown大学のRoberto Serrano教授、Rajiv Vohra教授との共著論文)の改訂を行い、学術雑誌のJournal of Economic Theoryへ公刊した。本論文では、情報が非対称な場合の「コア」が、提案したメカニズムにおける非協力ゲームの解によって遂行可能かどうかを考察した。特に、非協力ゲームの均衡概念として完全ベイジアン均衡を用いたときに、過去の先行研究において提案されてきたコアが遂行可能かどうかを検証した。また、提案したメカニズムによって遂行されうる配分ルールの集合の特徴づけのために、新しいコアの概念を提示した。 (2)プレイヤーの持つ情報が非対称な場合、互いに異なる情報を持つプレイヤーが情報を共有することによって、各プレイヤーの得られる利得が大きくなる可能性がある。この状況を協力ゲームの枠組みとしてとらえることを考え、定式化した。また、情報が非対称でない(完備な)場合に協力ゲームの解が持つ性質が、情報が非対称な場合には必ずしも成り立たない場合があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Brown大学のRoberto Serrano教授、Rajiv Vohra教授との共同研究をJournal of Economic Theoryに公刊することができた。 しかしながら、情報の共有を協力ゲームで分析する問題についてはまだ具体的な結果を得ることができておらず、定式化や例を用いた考察までにとどまっている。 また、情報が非対称な場合の環境問題の考察については、まだ具体的な進捗は少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
情報が非対称な場合の情報共有を協力ゲームで分析する問題については、情報が非対称でない(完備な)場合に協力ゲームが持つ性質が、情報が非対称な場合には必ずしも成り立たないという結果を得たので、今後、どのような場合に情報が完備な場合の性質を持つのかを考察する。 また、環境問題を協力ゲームで分析する問題については、情報が非対称な場合の状況の定式化を行い、そのときのコアがどのような特徴を持つのか考察する。
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Causes of Carryover |
海外での研究打ち合わせや学会発表等が通常通り開催されなかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、研究資料の収集と国内学会での報告や情報交換を中心としたい。
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