2022 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the Intellectual Network of East India College and the Relationship between Malthus and India
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21K01414
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
荒井 智行 南山大学, 経済学部, 教授 (70634103)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 東インド会社 / 東インド・カレッジ / 植民地支配 / マルサス / 経済学の制度化 / インド / インド統治 / 国際貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、東インド会社が設立した東インド・カレッジを取り巻く知的ネットワークを紐解きながら、マルサスとインドとの関係性を明らかにすることである。2020年に発行されたThe Historical Journal (vol.63 (1) )では、「マルサスの特集号」が掲載された。この号では、国際的に著名なマルサス研究者たちが著した計8本の論文が掲載されている。こうした研究状況の中で、マルサスとインドとの関係に焦点を当てている本研究は、近年の国際的な学術誌にも見られるように、重要度が高くトピックの研究であるといえる。 「現在までの進捗状況」の中で記した通り、2022年度では、マルサスと東インドに関わる諸文献を読み込みながら、本研究の基礎を固めていく作業を行った。しかし、コロナ問題により、一次資料を収集するための文献調査を十分に行うことができなかったことは認められなければならない。それでもそうした制約の中で、国内で入手可能な文献を地道に集め続けることができた。 本科研費の直接のテーマと関わらないわけではないが、2022年度では、2022年7月に、日本大学(ハイブリッド)で開催された「愉楽と経済学者たち」の研究会において、「デュガルド・スチュアートにおける「愉楽の標準」」について研究報告を行った。その研究会において、研究会の参加者の中から有益な意見を賜った。そのほかに、論文「デュガルド・スチュアートにおける「国富」とは何かをめぐって――『政治経済学講義』第2編第1章「ノートからの転載」を中心に」、『南山経済研究』37(3)、pp.225-244、2023年3月.を発行した。2023年度では、本研究をさらに発展させることができるよう努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、2021、2022年度に、大英図書館において、本研究に関わる一次文献の資料を収集する予定であったが、コロナ問題により、その資料調査を行うことができなかった。また、交付申請書に記した他大学の図書館に所蔵されているデータベースや文献・資料類についても、コロナ問題により学外者の入館が禁止されていたため、それらの資料の閲覧すらできなかった。これらの状況は、交付申請書の中でも記した通り、想定はしていたが、通年にわたってコロナ問題が続いたことは、資料収集の面で後れを取ったと言わざるをえない。 だがそれでも、国内で入手可能な文献や資料を読み解きながら研究を進めていった。東インド会社が設立した東インド・カレッジに関する各種の記録集を読み進める中で、これまでにはない新たな知見を得ることができたことは大きな収穫であった。またこの研究と並行してデュガルド・スチュアートの経済思想研究を行いながら、上記の「研究実績の概要」の中で触れた研究成果を示しながら、本研究に関わる論点を探り出していった。これは、コロナ問題により、別の角度から本研究の内容にアプローチする試みでもあり、当初の研究計画書の予定通りに研究を進展させていると判断している。その点で、次年度(2023年度)においても、東インド・カレッジと関わらせながら、18世紀後半以降のイギリス経済思想史研究について継続的に研究成果を示したい。 2021および2022年度において、コロナ問題による資料の収集が十分に進めなかったとはいえ、以上の観点から今後も入手可能な文献や資料を読み込みながら、粘り強く研究を進めていく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進策として、研究会や学会報告を行いながら、論文の改善に努めながら本研究をより発展させていくことが求められる。今後の本研究の推進策は、交付申請書で記した各研究者からの助言を賜りながら、チェックを重ねて論文のレヴェルを高めていくことである。今後は、入手可能な資料であっても、それに応じた内容の論文を完成させていかなければならないと考えている。論文の完成度やその客観的な評価について、上述の研究者の意見を取り入れながらチェックを重ねていく予定である。なぜなら、自らの研究論文が国際的にいかなる評価と位置づけをもつかについて、批判点も含めて客観的に見なければならないからである。 2023年度の初頭において、コロナ問題は世界的にもようやく収まりつつある。一次資料の収集を行うことが可能な状況になりつつあることは、これまでの2年間の経緯を考えれば今後の研究を行ううえで望ましい状況にあると考えたい。今後は、上述の研究者の方々からの意見を賜りながら、交付申請書で記した東インド・カレッジの役員や委員に関わる文献を引き続き分析する。それらの文献を手がかりにしながら、彼らとマルサスとの関係性を探っていく。 本研究の最終年度までに、本研究の最終目標となる研究成果を示すことが重要であると考えている。資料の収集後に、それなりの時間をかけて資料分析を行う必要があるため、資料収集直後にすぐに研究成果を示すことができるとは限らない。 それゆえ、今後は、一次資料の収集にかかわらず、これまでの国内で入手した資料の分析も含めて、本研究の成果を示すということに力点を置きながら研究を進めることにしたい。本研究は次年度で最終年度を迎える。本研究の期間内に成果を示すことができるよう、着実に論文作成に努める所存である。
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Causes of Carryover |
2022年度では、2021年度と同様に、新型コロナ・ウィルス問題により、India Office Recordを所蔵する大英図書館において東インド会社ならびに東インド・カレッジの資料収集を十分に行うことができなかった。また、年間を通じて、国内のコロナ・ウィルスの蔓延も深刻な状況にあり、当初予定していた他大学図書館等のデータベースによる、東インド・カレッジ関連の資料収集についても学外者の入館は認められなかった。これらの状況は、本研究を遂行するための計画変更を余儀なくされた。そのほか、国内での学会においても、すべてがオンラインとなり、旅費については計上しないことになった。以上の理由により、2022年度に未使用額が生じた。 次年度では、コロナの状況によるが、一次資料の収集のために、上述した大英図書館での資料収集や本研究の一次資料を所蔵する他大学図書館等での資料収集に力を注ぎたい。そのほか、東インド会社関連の一次資料において、データベースで収集する資料についても、予め入手すべき資料の優先順位を考え、効率よく資料を収集できるように計画を立てることにする。 2022年度では、資料調査において不本意な結果になってしまったことから、上述した図書館やそれ以外の資料館で、資料の徹底調査を行うことができるように、資料収集のための準備にも努めていく所存である。
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Research Products
(1 results)