2023 Fiscal Year Research-status Report
モデル不確実性を考慮したマクロ経済モデルの実証的評価と分析手法の開発
Project/Area Number |
21K01420
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大久保 正勝 筑波大学, システム情報系, 准教授 (30334600)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | モデル不確実性 / 曖昧さ回避 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年提案されたモデル不確実性を考慮したマクロ経済モデルを実証的に評価する際に必要な分析枠組みを構築し、従来のモデル不確実性を考慮しない枠組みのもとで提示された実証的なパズルを再検討することであった。本研究の3年目である令和5年度は、前年度までの成果を踏まえ、大きく分けて3つのことを行った。第1に、再帰的効用を仮定した耐久消費モデルの理論的な検討を引き続き行った。再帰的効用を仮定した耐久消費モデルに対する異時点間の限界代替率(Intertemporal Marginal Rate of Substitution、以下IMRS)の従来の導出方法では、富の収益率に対して追加的な仮定が必要となることが知られているが、この仮定の経済学的な解釈は必ずしも明らかではないことが指摘されていた。この問題に対して、先行研究とは異なるIMRSの導出方法を検討することで、追加的な仮定に対して経済学的な解釈を与えることが可能であることを示した。第2に、前年度後半から開始したmultiplier preferencesを仮定したモデルに消費の長期リスクを組み込んだ場合の分析方法を引き続き検討した。第3に、実証分析を行う準備として、データセットの作成を行った。具体的には、国際比較を行う予定の日米を含む主要先進国について、分析に必要な経済変数と資産収益率の四半期系列を構築するために複数のデータソースからデータを収集し、当該分野で広く使用されているCampbellデータの構築方法に倣い、可能な限り直近の期間を含むデータセットを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の後半から進めていた理論的な検討を予定どおり完了し、その成果を論文にまとめた。また、研究計画で予定していた実証分析に使用するデータセットの作成を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の後半から開始した実証分析を進めるとともに、文献調査とモデルおよび推定方法の検討を並行して行う。また、他の研究者からのアドバイスを取り入れながら、研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の後半に書籍(洋書)の購入を考えていたが、海外取り寄せにより年度内に納品されるか不明であったため、執行を見送った。したがって、次年度使用額は、主に書籍購入に充てる予定である。
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