2023 Fiscal Year Research-status Report
Evaluating liberalization of electricity industry in Japan based on a new productivity analysis
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21K01424
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
根本 二郎 放送大学, 愛知学習センター, 特任教授 (20180705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 美香 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50371208)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生産性指数 / 要因分解 / 規模弾力性 / 規模効果要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は当初計画では研究最終年度であったが、新型コロナ感染症、ウクライナ紛争以降の国際情勢に伴う電力料金の高騰の影響を考慮し、電力自由化以降のデータを確保する観点から計画を一年延長することとした。 このため、今年度は生産性指数の理論面の研究を主に行った。その結果、研究代表者が提案したHicks-Moorsteen-Bjurek生産性指数の要因分解において、規模効果要因を規定する規模変化の大きさの決め方について、新しい知見が得られた。具体的には、規模効果要因の計測において、インプットで測る規模変化の大きさを適切に与えると、規模の変化に反応するアウトプットの限界的変化(規模弾力性)の表現が、距離関数の微係数の左方極限と右方極限の離散近似の平均として得られることが明らかになった。このことは、Hicks-Moorsteen-Bjurek生産性指数の要因分解分析が、自然な形で規模弾力性の推定値を組み込んでいることを意味する。 他方、規模変化の大きさを上述とは異なる方法で与えると、生産性分析の要因分解におけるインプットとアウトプットの混合効果が消失することが明らかとなった。従来、インプットとアウトプットが複数ある場合、それらの構成比率が生産性に与える影響を混合効果要因として生産性分析の独立した一要因とみなしてきたが、分析結果の解釈に困難を伴う場合が多かった。今回の結果は、混合効果の解釈を不要とする点で有用である。 以上より、規模弾力性の計測における規模変化の大きさについて、DEAのように微分可能でない距離関数を用いて分析を行う場合には規模弾力性の離散近似が自然に現れるように与え、SFAにより規模弾力性の推定値がパラメトリックに得られる場合は混合効果が消失するように与えることができる。これは、規模変化の大きさの与え方が恣意的であるという従来の批判に対する回答ともなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Hicks-Moorsteen-Bjurek生産性指数の要因分解分析法を確立したので、次年度は最終的に実証分析を行い電気事業の自由化前後の生産性変化を明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
電気事業自由化前後の経済状況の相違が大きいため、自由化効果の識別が曖昧になることが危惧される。このため、syntheticな対照群の考え方を援用して分析結果の信頼度を高めることを検討している。
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Causes of Carryover |
今年度は引き続きデータ整備と理論的な研究に集中したため、当初購入を予定していた計算作業用のPCを購入しなかった。今後は高性能PCを購入することと、電力自由化の効果を識別するための分析に必要な追加データの購入に充てることを予定している。
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