2023 Fiscal Year Research-status Report
Measuring Substitution Bias in CPI: An Application of Machine Learning
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21K01432
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
溝渕 英之 同志社大学, 商学部, 准教授 (10516793)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ラスパイレス指数 / パーシェ指数 / マルムクィスト指数 / ヒックス-モースティーン指数 / 偏向的技術進歩 / 嗜好変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、消費者物価指数における代替バイアスを計測することである。代替バイアスは、複数の物価指数を比較することにより把握される。今年度の研究成果は3つにまとめられる。 一つ目は、代替バイアスにより引き起こされるラスパイレス指数とパーシェ指数の違いについて、ラスパイレス指数がパーシェ指数よりも大きい条件を、生産性指数について導いたことにある。生産性指数の結果を応用することで、嗜好変化(taste change)下の物価指数についても同種の条件を導くことができることが予想できる。また、同種の結果を他の分野の指数(例えば交易条件など)に対して導くことも期待できる。 二つ目は、観察可能な価格と数量について、ラスパイレス指数とパーシェ指数の大小関係により、顕示選好理論の弱公準を一定の条件の下で特徴づけたことである。物価指数と刑事選考理論の関係について、過去にいくつかの研究はされてきたが、物価指数の大小関係に注目した研究はこれまでになく、新規性が高いと考えられる。 三つ目は、技術進歩が偏向的な場合に、適切に技術進歩を計測できる生産性指数を考案したことである。生産技術の変化は、効用関係に置き換えれば、嗜好変化となる。それゆえこの結果も、嗜好変化下の物価指数に対して応用が期待できる。特に、技術進歩のタイプについての検証可能なテストを応用することにより、嗜好変化の有無だけではなく、その特徴についても価格と数量のデータから把握することが可能になるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表等により多くの良いコメントをもらうことができたので、それらを考慮し、研究成果をよりブラッシュアップしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
POSデータを複数年分準備できたので、来年度はこのデータを研究に生かして、代替バイアスを計測したい。
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Causes of Carryover |
2022年度において、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、当初予定していた海外出張に行くことができなかったため。また、実証分析の進捗状況が当初より遅れ、当初予定していたワークステーションやデータベースの購入が遅れたため。
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