2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on the input trade model with Keynesian unemployment: A theoretical foundation of international input-output analysis
Project/Area Number |
21K01437
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 秀夫 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (40133897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 連結財 / 線形の中間投入 / ケインズ的失業 / 多数国多数財 / 数量調整 / 国際産業連関分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主タイトルは「ケインズ的失業を伴う中間財貿易モデルの研究」であり、副題が「国際産業連関分析の貿易理論的基礎」である。当該年度は、この正副タイトルに沿う貿易モデルの構築に努めた。これは、中間投入、連結財、ケインズ的失業を伴うモデルであり、2国3財ケースから始め、多数国多数財にまで拡張した。このモデルは、線形の中間投入、需要変化に際しての安定した価格構造、需要変化に対応した短期的な数量調整構造を有する点で、国際的な産業連関分析と整合的である。 このモデルでは、各国の生産技術、労働賦存量、失業率の上限、マークアップ率、最終需要が与えられれば、国際分業パターン、財価格、賃金率、祖産出、雇用率(従って失業率)、国民所得、所得分配、貿易量(額)が決定される。現在、活発に展開されている国際産業連関分析では、各国の賃金率や財価格は所与とされており、他方、従来の貿易モデルは、需要の変化に伴って財価格と賃金率が変化するという点で、つまり、安定的な価格構造を持たないという点で、国際産業連関分析と整合的ではなかった。両者のあいだのこのようなギャップを埋めることが本研究課題の主目的であった。 このようなモデルは、これまで内外ともに存在せず、十分に独創性を主張できるものと考える。本研究代表者は、このモデルを英文論文としてとりまとめ、さる英文ジャーナルに投稿した。本報告書作成時点では、投稿論文は査読審査中である。、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示したような、本研究課題の核心とも言うべき貿易モデルを構築し、それを英文論文としてまとめ、さる英文ジャーナルに投稿し、現在、審査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進行しているので、投稿論文の審査結果を待ちつつ、計画に沿った研究を進める所存である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、出席を予定していた学会・研究会が行われなかったために生じたものである。次年度はコロナ禍が収まりそうであるため、研究会・学会も予定通り開催されるものと考えている。計画に従って使用するつもりである。
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