2022 Fiscal Year Research-status Report
Asset Price Fluctuations and Macroeconomic Policy
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21K01448
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
奴田原 健悟 専修大学, 経済学部, 教授 (30553672)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 資産価格 / 金融政策 / マクロ経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、資産価格変動のメカニズムを理解し、望ましい経済政策についての分析を行うことである。 本年度は、第一に、資産市場にアクセスできる家計と資産市場にアクセスできない家計という異質な家計が存在するマクロ経済モデルを開発し、家計間の所得格差と金融政策の関係について分析を行なった。このモデルでは家計間の所得格差は資産の保有の差によるものになっており、資産価格の変動が大きな影響を与える。この研究では、金融政策が家計間の所得格差に対して反応することで、資産価格への影響を通じて経済の安定化(Equilibrium determinacy)に貢献することを発見した。この研究は"A benefit of monetary policy response to inequality"という論文にまとめた。この研究は、Computing in Economics and Finance 2022(米国南メソジスト大学)、Singapore Economic Review Conference 2022(シンガポール)、53th Annual Conference of the Money, Macro and Finance Society(英国ケント大学)などの学会で研究発表も行なった。 第二に、前年度にまとめた長期のインフレ率と金融政策の関係"Trend inflation, asset prices and monetary policy"という論文の改訂作業を行った。 加えて、若手・中堅のマクロ経済学研究者をメンバーとした研究会であるDSGE workshopを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究に加えて、新たに資産価格変動メカニズムを活用したモデルを開発し、金融政策の効果について分析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度のなるため、これまでの研究成果をブラッシュアップし、資産価格を踏まえた望ましい経済政策の分析を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で出張予定の変更があったため使用額が生じた。次年度は最終年度となるため、学会などでの研究成果の発表や学術雑誌投稿のために使用する。
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Research Products
(4 results)