2023 Fiscal Year Research-status Report
Effects of carbon pricing and environmental education on economic growth
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21K01449
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
松川 勇 武蔵大学, 国際教養学部, 教授 (50287851)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 世代重複モデル / 環境クズネッツ曲線 / 経済発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は需要面に焦点を当て、世代重複モデルをもとに経済発展と環境の質のトレードオフを分析し、経済成長と環境汚染の動学的な相互関係を明らかにした。具体的には、環境の質の改善を目的とする投資を世代重複モデルに明示的に取り入れたJohn and Pecchenino (1994)の動学モデルを用いて、持続可能な経済発展を実現する方策に関する検討を行った。温暖化をはじめとする地球規模の環境問題の影響が懸念される中で、持続可能な経済発展の実現は、先進国・途上国双方にとって喫緊の政策課題となっている。持続可能な経済発展の在り方を検討する際、しばしば「環境クズネッツ曲線」が取り上げられる。環境クズネッツ曲線は、経済成長と環境汚染の関係を逆U字型の曲線によって表したものである。経済規模が比較的小さい段階では、経済成長に伴って環境汚染が深刻化する。これに対して、経済が成熟段階に達すると環境汚染が抑制される。環境クズネッツ曲線については今日まで膨大な実証研究が展開されてきた。本年度の研究では、これらの実証研究の背後にある理論的なメカニズムを明らかにした。動学モデルの分析からは、経済発展の初期段階においては環境汚染が深刻化するが、経済成長に伴って環境改善のための投資が増加し、環境の質が向上する点が明らかになった。この結果は、経済成長と環境汚染の関係を逆U字型の曲線によって示した環境クズネッツ曲線と整合しており、持続可能な経済発展を達成する上で環境改善のための投資を促進することが重要である点を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、国際エネルギー経済学会パリ大会への参加を予定していた。しかし、学会が2025年開催へ変更されたため、参加することが困難になった。このため、当初の研究計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を当初の研究計画から1年延長し、来年度は需要面の研究を進める。具体的には、地球温暖化などの環境問題を左右する化石燃料および再生可能エネルギーなどに対する需要に焦点を当てて、エネルギー価格および経済成長などの要因がエネルギー需要に及ぼす影響を検討する。研究を推進するうえで参考となる資料の収集を進めるため、国際学会へ参加する予定である。
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Causes of Carryover |
当初参加を予定していた国際学会が2025年へ延期となり、未使用額が生じた。次年度分と合わせて2024年度に研究に必要な物品の購入費用の一部に充当するか、もしくは参考となる研究資料が期待できる国際学会への参加費用・旅費に充当する予定である。
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