2021 Fiscal Year Research-status Report
Economic theory of fiscal sustainability: Labor market, policy making, and international capital market
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21K01472
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
宮澤 和俊 同志社大学, 経済学部, 教授 (00329749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 康嗣 法政大学, 社会学部, 教授 (90565300)
廣野 誠 徳島文理大学, 総合政策学部, 講師 (30885588)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国債 / 国際資本市場 / 国内労働市場 / 政策形成 / 出生率 / 人的資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究実績の概要は以下の通りである. (1) 健康寿命が延びると高齢者の利用可能な時間が増加する.高齢者の時間配分-余暇,労働,および孫の養育-に注目し,公的年金が高齢者就業と出生率に与える影響を分析した.本研究課題の労働市場パートに該当する.査読プロセスを終え,海外学術誌に発表した(International Tax and Public Finance). (2) 都市と地方の賃金格差(urban wage premium)と地方政府の財政力格差を是正する手段としての地方交付税交付金の制度設計の関係を,政治経済学の手法を用いて分析した.本研究課題の政策形成パートに該当する.論文をワーキングペーパーとして発表したのち,海外学術誌に投稿した.現在,査読プロセスの第2ラウンドに進んでいる. (3) 90年代以降の先進国の労働市場の特徴の1つである賃金の二極化現象を,個人の教育選択と企業の業績給(performance pay)の視点から分析した.本研究課題の労働市場パートに該当する.論文をワーキングペーパーとして発表し,国内の学会で報告した(日本応用経済学会).現在,海外学術誌に投稿中である. (4) 90年代以降の先進国の労働市場の特徴の1つである賃金の二極化現象を,大学と大学院という高等教育の階層的授業料制度の視点から分析した.本研究課題の労働市場パートに該当する.論文をワーキングペーパーとして発表し,海外学術誌への投稿準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論モデルの構築については,基本的に,研究代表者,研究分担者が個別に研究を進めている.当初の計画にしたがい,宮澤(代表者)は労働市場と政策形成について,北浦(分担者)は教育制度について,廣野(分担者)は早期退職と年金制度について研究を進めている. コロナ禍で移動の制約はあるものの,zoomを用いた研究会を開催して情報共有に努めている(Nagoya Macroeconomics Workshop, Doshisha Economics Workshop).
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にしたがい,2年目は財政の持続可能性に関する国内要因と外的要因について並行して研究を進める.宮澤は主に,各国の資本市場が統合されたときの経済波及効果を分析する.北浦と廣野は初年度の研究を継続する. 進捗状況を把握するため,定期的に研究会を開催する.また,初年度の研究成果を国際学会で発表する予定である(International Institute of Public Finance).
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Causes of Carryover |
コロナ禍で北浦(分担者),廣野(分担者)の研究出張が中止になったのが主な理由である. 次年度使用分は,当初の計画にしたがい令和4年度中に執行する.令和4年度分は当初の計画通りである.
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Research Products
(8 results)