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2021 Fiscal Year Research-status Report

自然災害が経済的選好に与えた影響:インドネシアの家計パネルデータを用いた分析

Research Project

Project/Area Number 21K01476
Research InstitutionInstitute of Developing Economies, Japan External Trade Organization

Principal Investigator

東方 孝之  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (70450533)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords自然災害 / 人的資本 / リスク選好 / 時間選好 / インドネシア
Outline of Annual Research Achievements

インドネシアは自然災害の多い国として知られている。2000年以降だけでも、スマトラ島沖地震(2004年)、ジャワ島中部地震(2006年)やムラピ山噴火(2010年)、スラウェシ島地震(2018年)など、各地で多くの犠牲者を伴う災害が頻繁に観察される。本研究の目的は、この自然災害が多発するインドネシアを事例に、最末端の行政単位である村・区レベルで得られる自然災害情報のパネルデータを構築し、位置情報を用いて個人・家計パネルデータとマッチングさせた上で、自然災害の発生前後および被災地・非被災地の比較という実験的状況を利用した分析を通じて、自然災害がリスク選好や時間選好といった個人の経済的選好に与えた影響を探ることにある。
2021年度は、先行研究を整理する一方で、データセットの構築作業を進めた。分析では、約8万前後の村・区について自然災害関連情報をはじめとして多様な情報を収集しているセンサスデータ(Podes)を用いる計画となっている。そこで、まず、村・区の分裂や統合といった変遷過程についての情報収集を進めたうえで、Podesのパネルデータセット化作業に取り組んだ。個人や家計の情報については、米国のRAND研究所が過去5回に渡って同一世帯を追跡して収集しているデータ(IFLS)を分析に用いる予定である。そのため、2021年度は、このIFLSの位置情報をもとにPodesデータとマッチングも試みた。最後に、地方自治体レベルの域内総生産や失業率といった経済変数についても2000年以降について情報収集を進めた。なお、先行研究では、自然災害は短期的には被災地に大きな人的・経済的被害を与えるものの、長期的にはマクロ経済的にみて正の効果をもたらしうるとの指摘がみられる。2022年度以降には、自然災害のもたらした長期的経済影響について、この地方自治体レベルでのマクロパネルデータを用いて確認する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

インドネシア統計庁がウェブ上に公開していた村・区の変遷確認用検索サイトが削除されたことに加えて、現地調査での統計庁でのヒアリングもできなかったことから、村・区の変遷過程確認作業ならびにPodesのパネルデータ化に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

2022年度には、まず、Podesのパネルデータ化作業を進める。次いで、このPodesパネルデータとマッチングさせたIFLSのサンプルから、自然災害の被災地に含まれるサンプルとそれ以外のサンプルとに分ける作業を進めたうえで、シンプルな「差の差」(DID)手法を用いた分析により、自然災害の経済選好への影響を確認する。この分析結果はDiscussion paperにまとめたうえで、2023年度までに査読誌に投稿する。また2023年度には、同じデータセットを用いて、世帯主の経済選好の変化がその子どもの教育や健康といった人的資本への投資(家計内資源配分)に与えた影響の分析を試みる。

Causes of Carryover

当初予定していた現地調査が新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限から実施できなかったこと、そして、購入予定であった大規模家計調査の個票データについては、2021年度においてもインドネシア統計庁は公開に踏み切らなかったことから、これらの予算は次年度へ繰り越すことにした。

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Published: 2022-12-28  

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