2023 Fiscal Year Research-status Report
中央銀行のフォワードガイダンスに関する理論・実証分析
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21K01480
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
砂川 武貴 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (10747223)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 金融政策 / ゼロ金利制約 / フォワードガイダンス / 数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、引き続き、研究実施計画にもとづき以下の3つの研究を進めた。 (1)フォワードガイダンスの維持可能性について分析したCredible Forward Guidance (joint with Quentin Batista and Taisuke Nakata)については、Journal of Economic Dynamics and Control誌に採択、出版された。 (2)HANKモデルにおけるフォワードガイダンスの分析については、名目金利の非負制約を明示的に考慮した上で、HANKモデルにおける財政乗数と標準的なRANKモデルにおける財政乗数を比較した。異なる計算アルゴリズムの下での財政乗数についても比較した。 (3)名目金利の非負制約のような非線形性があるモデルのパラメータ推定について、尤度計算のための手法 (Inversion Filter)に問題があることが分かり、その問題点について、"A Note on Conditional Equivalence of Inversion Filter and Kalman filter in Estimating DSGE Models" (joint with Elnura Baiaman kyzy and Hiroyuki Kubota)としてまとめた。Dynare conferenceなどで学会発表を行い、有益なコメントを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(2)についてはやや分析が遅れているが、2024年度末までに学会やセミナーなどでの発表を目指す。(3)については引き続き学会などで発表し、論文をリバイズして投稿する。
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Strategy for Future Research Activity |
(2)に関して、財政の再分配が異なる場合の財政乗数の違いなどをまとめたり、簡単な2期間モデルなどを用いて直感的な説明を行うことを進めていく。 (3)に関して、名目金利の非負制約がある場合にもinversion filterを適用してパラメータを正しく推定できることを確認する。
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Causes of Carryover |
2022年度までコロナ禍により引き続き海外および国内への出張が出来なかったため。2024年度は2023年度と同様に学会参加などの出張などに使用する予定。
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