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2021 Fiscal Year Research-status Report

A dynamic analysis of trade liberalization through formation of FTAs

Research Project

Project/Area Number 21K01494
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

野村 良一  立命館大学, 経済学部, 教授 (60465599)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsFTA
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は、非対称的な2国間での自由貿易協定(Free Trade Agreement: FTA)が世界全体の貿易自由化を促進するかを理論的に検討することである。各国政府の長期的視野による政策決定がFTAの形成を通じた貿易自由化の進展にどのような影響を及ぼすかを主たる検討課題として、市場規模の異なる3国3市場モデルに、長期的な視野から政策決定を行う政府を導入し、近視眼的な政府のもとでの結果と比較することで、政策決定における時間的視野とFTA形成を通じた貿易自由化の関係について考察した。
これまでの取り組みによって、以下の主たる結論を得た。(1)市場規模が似通った国の間で2国間FTAが形成されるが、長期的視野によって政策決定が行われる場合、相対的に市場規模が大きい国の間でFTAが形成されるようになる。(2)市場規模の大きい国の間でFTAが形成されたとき、域外国との市場規模の差が大きい場合は、当初の2国間FTAの形成にとどまり、それ以上の貿易の自由化は実現しない。この結果は、近視眼的な政府の想定の下では得られないものである。(3)市場規模の大きい国の間でFTAが形成されたとき、域外国と市場規模が大きく異ならない場合には、重複的な2国間のFTAの形成を通じて、世界全体の自由貿易が実現する。これらの結果は、各政府の政策決定が長期的な視野で行われるならば、2国間FTAの形成が世界全体の貿易自由化を阻害する可能性が高まることを示唆している。以上の結果について、次年度早々に関連する雑誌に投稿する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度は、「2国間FTAの形成が多国間の貿易自由化を促進するかに関する動学的分析」を研究課題とし、年度内に海外査読誌に投稿することを目標としていた。「研究実績の概要」に記した通り、上記の研究課題に関して一定の結果は得たが、年度内に海外査読誌に投稿するには至らなかった。したがって、(3)の状況に該当すると判断した。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度の前半において、昨年度の研究成果を論文として完成させ、関連する海外査読誌に投稿するよう努める。そのうえで、研究計画に基づいて、「2国間FTAの形成が多国間の貿易自由化を促進するかに関する動学的分析」という研究課題について、企業間の生産技術格差を導入した分析に取り組む。その際、分析が複雑になることが予想されるため、市場規模が対照的なケースに限定して取り組み、年度内に研究会/学会で報告し、Discussion Paperを作成することを目標とする。

Causes of Carryover

コロナ禍により、参加を計画していた国内外の多くの研究会・学会が中止かオンライン開催となったため、旅費として計上していた分が使用できなかった。今年度は研究会・学会等が対面で開催される予定のため、旅費として使用する予定である。

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Published: 2022-12-28  

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