2021 Fiscal Year Research-status Report
日本企業の直接投資における企業統治体制及び政策リスクの影響について
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21K01509
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
鈴木 唯 武蔵大学, 経済学部, 教授 (80746694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 紫 文京学院大学, 経営学部, 助教 (80775601)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 海外直接投資 / 雇用 / 経営者 / 企業統治 / 不確実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本企業の海外直接投資が企業内の国内雇用や賃金水準に及ぼす影響を企業の経営体制という独自の観点から考察する(研究課題1)、②直接投資元の国の政策の不確実性が企業の直接投資の実施に影響を与えるという新規の仮説を検証する(研究課題2)ものである。 令和3年度は、研究実施計画に基づき、日本企業の経営・統治体制を考慮した上で、日本企業の海外直接投資が与える企業内雇用への影響を考察する研究課題1に着手し、既存文献の整理や個票データの収集・整理を行った。既存文献の整理としては、日本及び海外の企業による海外直接投資による企業内や国内における雇用への影響に関する理論・実証研究を中心として広範囲のサーベイを行った。さらに、個票データの収集・整理として、日本企業の海外直接投資に関する企業レベルデータとして東洋経済新報社の「海外進出企業データベース2020年版」(2019年10月にアンケート調査を実施し、2019年度末までに判明したデータ)及び、東洋経済新報社の「役員四季報データ2020年版」(2019年7月下旬までに判明した異動までを含んだデータ)を入手し、基礎統計分析を開始した。本研究課題1は、企業の海外進出に伴って国内雇用が喪失されるとの懸念があることを念頭に置いて、日本企業の経営・統治体制の違いによって海外直接投資の実施やそれに伴う雇用への影響が異なる可能性について実証的に考察するものである。これら2種類の企業データに加え、基本的な企業データも入手したうえで、データを統合し実証分析を行う必要があり、データの整理に時間を要している。データの整理、基礎的な統計分析を進める一方で、適切な実証分析手法の検討も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記研究実績の通り、令和3年度は、既存文献の整理や企業レベルデータの収集・整理を実施したが、実証分析手法の構築と実証分析への移行という点において、研究課題1,2ともにやや遅れが生じている。遅れの主たる要因として、2種類のデータベースが高額であり単年度分のデータのみ入手する中で研究を進めていること、複数のデータの統合に時間を要していることが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究課題1、研究課題2の順に実証分析を遂行していく。 企業の海外進出に伴って国内雇用が喪失されるという懸念に対して,企業の経営・統治体制という観点から考察する研究課題1に関しては、令和3年度に取り組んだ既存文献の整理や企業レベルデータの収集・整理を基に、新たに別年度のデータを入手することにより、2年もしくは3年間のパネルデータを構築した上で、実証研究に取り組み、研究成果をまとめることとする。最適な分析手法に基づいて実証分析を進め、分析結果を考察し、論文執筆を完結させる。さらに、研究成果の論文投稿、学会発表にもつなげるものとする。 直接投資元の国の政策の不確実性が企業の海外直接投資に対して影響を与えるという視点から検証を行う研究課題2については、不確実性という観点において、COVID19の世界的な広がりによって直接投資を含む企業活動が多大な影響を受けたことに焦点を移し、最新の直接投資の状況を実証的に検証していきたいと考えている。研究課題2については、研究課題の軌道修正も含めて、データの入手や実証分析方法についても再検討し、基礎的データ分析、さらには実証分析につなげていくものとする。
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