2021 Fiscal Year Research-status Report
介護福祉士供給国フィリピンと需要国日本のCOVID-19下の現状分析
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21K01518
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
劉 ブン 大阪経済法科大学, 経済学部, 准教授 (50825429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 茂行 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究戦略センター, 参与 (60140076)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 外国人介護人材 / 中高年齢者活用 / 音声認識システム |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人介護人材(外国人介護福祉士候補者など)の受入・活用、老人福祉・介護事業における中高年齢者活用のあり方、加えて、言葉や文化の壁に対して、音声認識システムの利用の可能性について、受入施設現状、今後の方針について兵庫県下の高齢者介護施設等にインタビュー形式で調査を実施した。 研究協力者が代表を務める(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構の「ソサイエティ5.0に向けた制度設計-兵庫県の政策課題-」プロジェクト(R元年4月~R3年3月(3カ年))とともに共同で調査を進めた。関連分野の専門家による研究会を組織し、現地ヒアリングや文献研究によって得られた知見をもとに、政策提言をとりまとめ報告書を作成した。研究会は全10回開催した。 また、「外国人介護人材の受け入れに関するCOVID-19下の現状と課題―音声認識システムの利用や中高年齢者活用のあり方を踏まえて―」の自身の書きおろし論文を報告書に所収予定である。今後の課題とインプリケーションは次のとおりである。言語・コミュニケーションに関する課題として、外国人介護人材の仕事に対して評価は高いものの、介護記録や電話等のコミュニケーションに関することが課題として受入現場から提起されている。そこで、介護現場における人手不足解消のためのICT化として、今後、シフト管理システム、音声入力システム、訪問介護・看護専用アプリ等の導入が期待される。他業種からの在留資格の移行や、外国人介護人材の受入時の規制緩和をすることにより、できるだけ長く日本で働きたい外国人材が介護分野に流入し、新型コロナウイルスの感染拡大が終息後も外国人介護人材が増える大きなチャンスとして期待できる。そのため、地方自治体も技能実習生の受入組合や大学等と協力し、他業種や留学生から在留資格を移行して、介護分野での就業が出来るよう、それをサポートするための体制の構築が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画のうち、COVID-19下の経済連携協定(EPA)による外国人介護福祉士の受入状況について、介護現場における音声認識システム活用の検討について、「超高齢社会」における労働者としての中高年者の就業分析について、日本国内の高齢者施設等にヒアリング調査を実施し、一定の研究成果を取り纏めることができた。 ただし、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みて、海外におけるフィールド調査の実施が困難な状況にあるため、外国人介護人材の送出国フィリピンの状況、受入国であるシンガポール・台湾等の実情について未着手の状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
未着手である外国人介護人材の送出国フィリピンの状況、受入国であるシンガポール・台湾等の実情について現地でのフィールド調査を実施予定である。また、日本国内の実情を明らかにするためにも、オンラインでのヒアリング調査のみならず、現地に赴きフィールド調査を実施したいと考えている。 音声認識システムや中高年齢者の活用についても引き続きデバイスやデータを収集し分析・調査を行う予定である。 2022年5月から2023年3月まで産休・育休の予定であるため、研究機関を1年間延長予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き次第、また産休・育休期間が明けましたら、海外調査を実施予定である。
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