2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on Employment Quality and Health
Project/Area Number |
21K01519
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
藤井 麻由 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (70648328)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 雇用の質 / 健康格差 / 労働市場 / 潜在クラス分析 / 主観的健康感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,現代日本における「雇用の質(Employment Quality, EQ)」の実態を把握するとともに,EQと雇用者の健康状態の関係を明らかにすることであり,初年度にあたる2021年度は,そのための情報収集と調査の実施を行うことを目標としていた.具体的には,前半に(1)先行研究のレビューとそれに基づく調査票の作成,後半に(2)インターネット調査の実施,そして(3)調査で得られたデータセットの整備を行った.この一連の作業を通じて,全国の22歳以上65歳未満の男女5,000人について,コロナ禍前後のEQ,健康状態,および基本属性に関するデータを収集し,またその特性についても把握した.特に,調査対象者の雇用に関する基本的な情報(勤め先における呼称,従業員者数,業種,職種等),EQの7つの領域(①雇用契約期間,②報酬,③雇用者の権利と社会的保護,④労働時間,⑤教育訓練の機会,⑥雇用者の交渉力,⑦雇用主との対人関係),健康指標(主観的健康感,K6), EQおよび健康指標のコロナ禍前後の変化について,全体,男女別,年代別の単純集計を行った.集計結果から,調査対象者が「正規の職員・従業員」および「雇用契約期間に定めなし」に偏っていることが確認され,今後の分析への影響は慎重に考察する必要があるが,その他の属性には雇用の類型化を行うだけのばらつきがあり,おおむね国外のEQに関する先行研究と比較可能な情報を含むデータを収集・整備することが出来た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査で取集したデータを分析し,研究会などでその成果を報告するには至らなかったが,当初の計画通り,先行研究のレビューを行い,雇用の質と健康に関するインターネット調査を実施することで,二年目からデータ分析を行っていくための基盤を整備することができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までおおむね順調に進展していることから,今後も当初の研究計画通りに推進していく.具体的には,初年度で整備したデータを用いて,雇用の類型化と健康格差との関係について分析し,その成果をまとめ,学会・論文を通じて発表していく.
|
Causes of Carryover |
インターネット調査に予定よりも時間を要してしまい,データ分析の準備等のために必要な書籍の購入等が出来なかった.令和4年度からデータ分析を進めていくため、当初の計画に沿って予算を執行していく.
|