2022 Fiscal Year Research-status Report
新薬開発インセンティブと日本における開発状況、医薬品政策の効果に関する実証分析
Project/Area Number |
21K01526
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
和久津 尚彦 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80638130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 洋 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (60286656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 新薬開発インセンティブ / 薬価制度 / ドラッグ・ロス / リスク / リスク回避度 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】本研究は、総薬剤費の上昇抑制および新薬開発インセンティブの維持/向上という2つの課題の両立に向けた検討として、次の3つのサブテーマを研究する。①日本における新薬開発の現状を欧米との比較検討から実証的に分析する。②日本における近年の医薬品政策が国内の新薬開発状況にどのような影響を及ぼしているのかについて実証的に分析する。③薬価引き上げに頼らない新薬開発インセンティブ増大策の効果を定量的に計測する。令和4年度は次のことを進めた。①②の研究では、日米欧の各国・地域の規制当局の公開情報を用いて、欧米で承認されているが日本では未承認の医薬品をリスト化し、ドラッグ・ロス分析のためのデータを収集した。③の研究では、新薬開発型企業が新薬の承認申請以降に医薬品市場で直面しうるリスクに焦点をあて、そのリスク低減が企業の研究開発インセンティブにどのような影響を及ぼすのか(どの程度高めるのか)について分析した。 【意義・重要性】 ①②ドラッグ・ロスの問題はドラッグ・ラグと同様に患者の医薬品アクセスを阻害する重大要因である。近年とくに注目が集まる社会的に重要なテーマであるが、現状に関する実証研究は十分とは言えない。また、③厳しい財政制約の下での創薬力の維持/向上も重要な課題であるが、それに関する定量的な分析はほとんどない。社会的重要性においても研究蓄積においても、本研究の意義は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度(令和4年度)計画していた研究/作業は以下のとおりである:①②③の各研究のためのデータセットの構築および予備分析の実施。これに対して、①②の研究については、データを収集しデータセットの構築が進んでいる。③の研究に関しては、前年度の検討から既存のデータセットを用いた予備分析を進めた。新型コロナウィルス感染症の影響で一部の計画は見直しながらも、上述のとおり一定の進捗があり、研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画そのものに大きな変更はなく、今後も研究計画に則って進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
【理由】商用データの購入を予定していたが、公開情報で類似のデータを見つけたことから今年度の購入を見送った。また、新型コロナウィルス感染症の影響で出張の制限があり、出張費で計画との相違が生じた。 【使用計画】商用データの購入費に関しては、使途計画に変更はない。次年度の商用データ購入費にあてる。出張費に関しても使途計画に変更はないが、新型コロナウィルス感染症などの影響で計画どおり行うことが難しい場合は、適宜その費用の一部を、データセット更新のための費用や、研究成果を最大化するための費用として使用する。
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