2021 Fiscal Year Research-status Report
The Public Choice Analysis of Local Public Accounting Reforms and Local Government Fiscal Reform
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21K01535
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
近藤 春生 西南学院大学, 経済学部, 教授 (50508710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 顕正 京都先端科学大学, 経済経営学部, 准教授 (00832429)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地方公会計 / バランスシート / NPM / 財政健全化 / 透明性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021(令和3)年度の研究実施計画では、本研究の核となる実証分析のリサーチデザインやよりよい結果の解釈を目的とした実態調査(先進自治体へのヒアリングやアンケート)を行うことを予定していた。その上で、2022(令和4)年度以降に、わが国で2000年代以降、段階的に進展してきた、地方公会計改革(地方自治体による財務書類の作成等)が地方財政に与えた影響を明らかにするべく、実証分析を進めることとしており、この準備を予定していた。今年度の研究実績は以下の通りである。 1.地方公会計改革の実態調査としては、研究代表者と研究分担者の所属先に近い、福岡県と京都府の基礎的自治体および中部地方の県にヒアリング調査を行った。ヒアリング調査を通じて、地方公会計改革に対する取り組みには自治体間で大きな差があるものの、固定資産台帳の整備等を通じて、財政健全化に向けて、一定の効果があることを期待していることが明らかになった。 2.地方公会計改革の効果に関する実証分析として、総務省「地方公共団体の財務書類作成状況」のデータを活用し、財務書類作成の有無だけではなく、その活用方法や固定資産台帳の整備が財政運営に及ぼした影響について結果をまとめ、2021年11月に開催された日本応用経済学会にて報告した。 3.これまでの地方公会計改革の進展の状況を整理とともに、地方公会計改革に関係する先行研究を財政学のみならず広くサーベイを行い、論点整理を行った。この論文は、研究代表者の所属先の学内紀要である、『西南学院大学経済学論集』に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で示した通り、当初予定していた、地方公会計改革に関する実態調査のうち、ヒアリング調査を行い、一定程度当初の目的を達成できたこと。また、2022(令和4)年度以降に本格させる実証研究の基礎となる研究成果をまとめ、学会報告を行うことを通じて、今後の研究の方向性の1つを示すことができたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
実態調査については、引き続き、先進自治体へのヒアリング等を通じて、実証研究に対してフィードバックを行う予定である。さらに、地方公会計の活用や固定資産台帳の整備状況が財政運営に及ぼす影響に関する研究成果を完成させるとともに、地方自治体の財政収支や債務に及ぼす影響や、地方自治体の効率性に及ぼす影響について、計量分析を通じて明らかにする。研究成果は論文としてまとめ、国内外の学会・研究会等で報告する予定である。
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Causes of Carryover |
出張旅費については、学会およびヒアリングの多くがオンラインでの実施となったことで残額が生じた。また、人件費・報酬費については、アンケート調査の経費を想定していたが、ヒアリング調査を優先させため、残額が生じた。次年度は、国際学会報告等のための研究旅費と英文校正に優先的に支出する。
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Research Products
(10 results)