2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K01540
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学域, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 介護離職 / 未婚率 |
Outline of Annual Research Achievements |
未婚率の上昇とともに、親と同居する未婚の子が介護を担うケースが増えている。未婚の子が介護のため離職すると、世帯の収入は親の年金のみとなるなど世帯が貧困に陥るだけでなく、無業の子が低年金・低貯蓄により将来的にも窮乏することが懸念される。しかし、そのような世帯において介護が就業に与える影響や世帯の経済状態を把握する研究はほとんど皆無であった。 主に用いるデータは、「国民生活基礎調査」(厚生労働省)と「社会生活基本調査」(総務省)である。これらは、要介護者を有する世帯の標本が多数得られるため、介護が就業に与える影響を調べた先行研究で用いられてきた。また、これらのデータは、パネルデータではないものの、20年以上前から調査が継続しており、長期間にわたって世帯構造や世帯内の介護者の属性の変化を把握することができる。今年度の作業は、分析に必要なデータセットを作成することであった。いずれも基幹統計であるため、統計法第33条に基づき個票の利用申請を行った。入手した個票を統計ソフトで読込み、データセットを作成した。記述統計を作成することで、データが正しく読み込まれているか確認するとともに、分析対象者の基本属性を調べ、来年度以降の具体的な分析手法の選択について検討した。また、調査項目の変遷を把握することで、経年変化を把握するうえで必要な変数の定義・作成を行った。その他、科研費申請以降に発表された関連研究に関する文献渉猟を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの読み込みに予想外に時間がかかったが、ほぼ想定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したデータを用いて、要介護世帯の経年変化を過去20年にわたって把握する。また、未婚の子が要介護者となることが、世帯の収入や就業状況に及ぼす影響を測定する。
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Causes of Carryover |
統計ソフトを購入する予定であったが、旧版からのアップデートの内容が本研究との関連が薄かったので、購入時期を先送りすることにした。
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