2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K01540
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学域, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 介護離職 / 介護保険 / 未婚の子 / 就業 / 家族介護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、以下の2つの研究を行った。 ①介護保険が家族介護者の就業に与えた影響 Fu et al.(2017)は,介護保険の導入は家族介護者の就業を促進したが,2006年度の介護保険改革は家族介護者の就業を抑制したことを示している。Fu et al.(2017)は、「国民生活基礎調査」を用いている。同調査は介護保険導入前後で要介護者を補足する質問内容が変わったが,Fu et al.(2017)はその影響を考慮していない。また、推定方法にも問題がある。本研究は、Fu et al.(2017)が抱える問題を改善した推定を行った。結果は、介護保険導入も2006年度の介護保険改革も家族介護者の就業に影響を与えなかった。 ②要介護の親との同居が子の就業に与える影響 わが国では高齢者の介護は、息子の配偶者(嫁)が担うことが多かった。しかし、近年になるにつれ、子世代と同居する高齢者のうち、息子夫婦と同居する割合は減少し、未婚の子と同居する割合が高くなっている。しかし、これまで要介護の親との同居が、未婚の子の就業に与える影響はほとんど分析されてこなかった。本研究は、親と子のそれぞれの配偶関係別に、要介護の親との同居が子の就業に与える影響を推定した。有配偶の息子及び親が有配偶である娘や義理の娘は、要介護の親との同居の影響をほとんど受けなかった。その一方、無配偶の親と同居する娘や義理の娘、無配偶の息子では、要介護の親との同居が就業率と労働時間をともに低下させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究①については,英文化したものを学術雑誌に投稿できる段階まで仕上げることができた。②については,推定結果が固まり,これから本文を執筆するが,夏頃までに学術雑誌に投稿できるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度執筆した2本の論文を学術雑誌に公刊するとともに,就業構造基本調査と社会生活基本調査を用いた補助的な分析を行う。
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Causes of Carryover |
海外での学会発表の都合がつかず取りやめになったため未使用額が出た。未使用額は、論文のオープンアクセスに用いる。
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