2021 Fiscal Year Research-status Report
「とりあえず」進路選択者のキャリア形成と雇用促進に関する実証研究
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21K01545
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Research Institution | Chiba Keizai University |
Principal Investigator |
中嶌 剛 千葉経済大学, 経済学部, 教授 (30624837)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | とりあえず進学 / とりあえず志向 / キャリア教育 / キャリア形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学進学率が50%を超えるユニバーサル化とともに、人生100年のマルチステージ化が進む時代では、先の将来が見通せない以上、明確な動機・目的を持って大学進学することは容易ではない。 そこで、本研究では、明確な希望進路が示せないことを理由に学校や大学での就職支援、あるいは、各種就労支援機関の支援対象から外れがちとなり、本人が望むようなキャリアが歩みにくくなるような事態に着目した。明確な動機・目的が持てないまま、ただ漠然と「大学進学」を考える若者の心理構造を検討することは、彼らの中に潜在する限定合理的なキャリア意識の探求と関連しており、ひいては、不明確な進路・目的意識の未決定者の就労改善にも貢献し得る点で意義が大きいと考える。 R3年度は、曖昧な進路・目的意識である大学進学者のキャリア成熟に対するキャリア教育の効果測定を行うための基礎的資料を得る目的として、研究協力を仰いでいるベネッセコーポレーションとの協議を繰り返しながら、質問紙の調査設計を行った。その上で、高校3年生を対象に縦断調査(『学生生活と進路に関する意識調査』)を2回(第1回調査:6月、第2回調査:12月)実施した。その後、当該2調査で得られたデータの紐づけを行い、パネルデータ(有効回答数:1036件)を構築しデータベース化を行った。単純集計結果の概要については、複数のインターネットメディア(『現在ビジネス』(講談社)、『タウンワークマガジン』(リクルート)、『LEADERS』(日本の人事部))で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1回調査と第2回調査で得られたパネルデータを用いた分析にはすでに取り掛かっており、一部インターネットメディア(講談社『現代ビジネス』、リクルート『タウンワークマガジン』。日本の人事部「LEADERS」Vol.10)において、分析結果の公表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
「とりあえず進学」意識で入学した者を追跡し、継続的なキャリア教育支援を通じたキャリア成熟への影響を縦断的に分析するためには、学校種が変化する大学入学前後の動きも大変重要になる。ただし、高校を卒業し、調査対象者が各々の進路に進んだ後の第3回調査(6-7月予定)は回答率の大幅な低下が見込まれる。そのため、インタビューなどの質的調査を併用し、少人数に対して深く聞き取りを行うことで補っていきたい。
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Causes of Carryover |
R3年度に行った学会・研究会報告はすべてZoom開催であり、旅費の使用がなかった。しかし、R4年度からは対面形式での学会発表も地方で予定されており、翌年度分として請求した助成金とあわせて有効活用していきたい。
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Research Products
(8 results)