2022 Fiscal Year Research-status Report
邦銀のドル調達問題に着眼したグローバル流動性の不安定性の解明
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21K01580
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山本 周吾 立教大学, 経済学部, 准教授 (70593599)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 国際資本移動 / ドル調達コスト / MMF / コロナ・ショック |
Outline of Annual Research Achievements |
入手済みのデータベースを利用して実証分析を現在進めている段階である。データベースの容量は非常に大きくビッグデータでもあるので、分析には様々な角度から試行錯誤しながら進めている。 同時に、ビッグデータであるので、データが非常に詳細で、どの経済主体が、何時、どのような手段(レポ、コマーシャル・ペーパー(CP)、譲渡性預金(CD)等)で、資金調達をおこない、どのファンドがそれを購入したか、という詳細な情報を得ることができる。このため、この科研の研究課題である「邦銀のドル調達問題に着眼したグローバル流動性の不安定性の解明」を解明するために、必要なデータを入手することができた。 特に、実証分析の期間に2020年3月のコロナ危機の前後の期間を含めることによって、予期せぬショックがファンドの行動、資金調達者の行動、資金調達の手段、利回り等に及ぼした効果を、明らかにすることは非常に重要な意義がある。現在、この課題に取り組むことを通じて、邦銀のドルの調達状況について、解明することを試みている。2023年の後半にはディスカッション・ペーパーを公開することを視野に研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースを入手して、データを整理する作業が終了した。また、ビッグデータであるので、エクセルを使用した分析はできないので、統計ソフト”R”を使用して解析を進めている。この統計ソフトである”R”の取り扱いにも慣れてきて、自由自在にデータを扱うことが可能になった。今後は、実証分析を試行錯誤する段階まで進展したので、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、データベースを統計ソフトである”R”を使用して、ビッグデータを取り扱うノウハウを確立したので、このノウハウを基に分析を進めている。2023年の後半にはディスカッション・ペーパーを公開して、海外の査読付き雑誌に投稿することをおこなっていく。
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Causes of Carryover |
大規模なデータベースの購入を検討しており、そのために長い時間を要した。最終的には、米国のDepository Trust&Clearing Corporation(DTCC)から短期金融市場におけるコマーシャル・ペーパー(CP)と譲渡性預金(CD)の詳細なデータベースの購入が決定しており、現在はその手続きを進めている最中である。
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