2021 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における木材の市場と輸送選択-吉野材を事例として-
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21K01604
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
渡邉 恵一 駒澤大学, 経済学部, 教授 (00267387)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 吉野林業 / 木材市場 / 木材流通 / 鉄道 / 筏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代日本における木材の市場と輸送選択について、その実態を明らかにし、考察することを課題とする。木材の輸送は、林業において生産過程の最も重要な部分である一方、原木(丸太)、挽材(角材)、樽・桶などの形状ごとに多種多様であり、輸送手段の適性や運賃負担力も一様ではない。輸送問題への取組みを不可欠とする林業・木材生産のあり方と、木材という商品の多様性の双方を見据えつつ、近代日本における木材の市場とその輸送実態について、先進的林業地帯であった奈良県吉野郡の吉野材を事例に、マクロなデータでは得ることのできない史実とその論理を一次史料に基づいた実証的成果として学界に提示することが本研究の目標である。 令和3年度は、新型コロナウィルスの感染拡大の時期と調査出張が可能となる時期が重なるなど、日程調整に思いのほか苦慮したが、研究課題の中核的史料を所蔵する奈良県立図書情報館、ならびに五條市文化博物館の調査を実施することができた。 研究成果としては、社会経済史学会第90回全国大会(神戸大学、オンライン開催)において、「鉄道開通前後における吉野材の市場と輸送-永田家の事例-」を報告した。同報告では、冒頭で述べたような「木材」という商品の特性や多様性に留意しつつ、吉野材の輸送実態やその段階的変化について、鉄道開通前の明治前期、南和鉄道・関西鉄道などが開通した日清戦後期、鉄道国有化後の日露戦後期の3段階に分けて論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大の時期と調査出張が可能となる時期が重なるなど、日程調整に思いのほか苦慮したが、事前に準備した史料の所在情報を生かし、初年度より一次史料の調査・収集に着手することができた。研究成果についても、年度半ばで学会の全国大会で報告するなど、比較的順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響はなお予断を許さない状況にあるが、臨機応変にスケジュールを組むことで対処し、引き続いて一次史料の調査・収集に努めたい。また、前年度に口頭発表した研究については、論文化の作業を進める予定である。
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Causes of Carryover |
第1は、新型コロナウィルスの感染拡大の時期と調査出張が可能な時期が重なり、当初予定していた史料調査の回数を下回ることになったためである。新型コロナウィルスの影響はなお予断を許さない状況にあるが、臨機応変にスケジュールを組むことで対処していきたい。 第2は、研究用のPC(デスクトップPC、ノートPC各1台)を、OSのヴァージョンアップに合わせて発注したが、世界的な半導体不足の影響を受けて納期が大幅に遅れたためである。いずれも会計上は次年度執行となったが、現物はすでに納品が完了しており、使用計画として問題は生じていない。
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Research Products
(6 results)