2022 Fiscal Year Research-status Report
"Bankers" in International Perspective: Christian Missions, Economic Connections and International Banking in Modern China
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21K01605
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
林 幸司 成城大学, 経済学部, 教授 (30612775)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 銀行家 / 宣教ミッション / 高等商業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
19世紀後半以降、アジアではヨーロッパ諸国を中心とする帝国主義体制のもと、これを裏付ける様々な仕組み(教育・経済制度など)が形成されていた。こうした仕組みは、英米系宣教ミッションの高等教育事業活動によって中国にも伝えられた。このような中で、第一次世界大戦後の中国の沿海都市部では、黎明期にあった近代株式銀行が大きな成長をとげた。これら銀行業界では、英米系ミッションスクールの高等教育に基づくグローバルスタンダードを背景として養成された人材が、「銀行家(Banker)」として活躍することとなる。そして、新たな経済制度を操る「銀行家」たちは、国際的取引を通じて、中国経済と世界経済を接合する役割を果たしていくこととなるのである。本研究は、近代中国における「銀行家」の展開過程を、宣教ミッション・経済人脈形成・国際銀行の視点から検討することを目的とする。 研究課題として、(1)アメリカメソディスト監督教会ミッションおよびイギリス国教会伝道協会(CMS)との関わりを含め、アメリカにとどまらない国際的な広がりを検討すること、(2)近代中国における銀行業界と高等教育の関わりを総合的に検討すること、 (3)銀行業務および銀行経営の実際と結びつけながら解明すること、などが想定されている。本年度も、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外資料調査を実施することができなかった。このため、上記(1)の問題意識に沿って、①イギリス国教会伝道教会関連資料の閲覧と整理、②中国におけるアメリカ系学会誌の閲覧と整理を中心として、研究をすすめた。これら研究の成果については、中国において発行された英字紙の目録を整理するとともに、学術論文の執筆を準備しているところである。また、関連する研究実績として、英文著書(共著)を執筆し、研究成果の公表をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、海外資料調査を実施することはできなかったが、研究代表者所属先に所蔵されているイギリス国教会伝道教会関連資料データベースを利用した資料閲覧整理、中国におけるアメリカ系学会誌の閲覧と整理を進めることができた。またこれら研究の成果について、中国において発行された英字紙の目録を整理や、学術論文の執筆を準備するとともに、英文著書(共著)を執筆して研究成果の公表をおこなっている。このため、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も引き続き、イギリス国教会伝道教会関連資料データベースの資料閲覧整理や、アメリカ系ミッションスクール関連資料の整理などを進めていく。また、可能であれば、海外資料調査を実施していきたい。
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Causes of Carryover |
本年度も、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外資料調査を実施することができなかったため、次年度使用額が生じている。これについては、本年度以降、海外資料調査実施のための旅費および人件費を中心に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)