2023 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀前半のイギリスにおける歯科治療と口腔衛生リテラシー
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21K01622
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
梅垣 宏嗣 南山大学, 経済学部, 講師 (50709053)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イギリス福祉国家 / 国民健康保険制度 / 国民保健サービス / 歯科医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度における研究としては、普遍主義的で包括的な医療制度として知られる、イギリス国民保健サービス(National Health Service、NHS、1948年~)における、歯科医療の実態について、特に制度確立期を中心に調査・分析した。そして、社会政策学会・第147回(2023年度秋季)大会(2023年10月7日)にて、研究発表(発表標題「戦後イギリス福祉国家体制における包括的歯科医療サービスの形成過程について」)を行い、その際に受けたコメントを踏まえて修正した論文を、現在投稿中である。なお、2023年8月11日~18日には、イギリス国立公文書館(The National Archives)にて、資料調査を行った。 研究期間全体における研究としては、両大戦間期のイギリスにおける労働者階級の人々に対する歯科治療について、イギリス国民健康保険制度(National Health Insurance、NHI、1911~46年)における追加給付のひとつである歯科給付(=歯科治療)の実態を調査・分析した論文が公刊された(「イギリス国民健康保険制度(1911~46年)における歯科治療:歯科給付をめぐる諸問題」『社会政策』14(1)、2022年6月、pp.146-156)。 また、最終年度における研究(国民保健サービスにおける歯科医療)につながる、国民健康保険制度から国民保健サービスへの移行と歯科医療制度の変容の実態(主に当時における政策上の諸議論)を調査・分析し、社会政策学会東海部会(2022年3月5日)にて、研究発表を行った(発表標題「戦後イギリス福祉国家体制における歯科医療制度の確立過程:NHIからNHSへ」)。
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