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2022 Fiscal Year Research-status Report

19世紀後半、中国海関のジャンク船課税と内地市場の開拓に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 21K01623
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

濱下 武志  龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (90126368)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小泉 順子  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70234672)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsジャンク貿易 / 朝貢貿易 / 内地市場 / 海関貿易統計 / 外国の市場開拓
Outline of Annual Research Achievements

2022年度においては、刊行されている各種の貿易統計資料を引き続き検討し、なかでも、従来の 海関貿易研究では比較的検討されることが少なかった「貿易月報」の統計の内、19世紀後半の重点的検討を続けた。併せて中国海関の課税対象外とされたジャンク船貿易への課税問題を主要貿易相手国であったシャム側の貿易資料との対比において継続して検討した。そこでは、香港における ジャンク船貿易との関係が重要となるが、香港といういわゆる自由貿易港におけるジャンク船貿易掌握の実態を検討するために、香港に近接する九龍海関や、香港水道を囲んで対岸に位置するマカオとのジャンク貿易を管理する洪北海関の統計資料についても検討を進めた。
また、1860年代から本格化する長江流域におけるジャンク船による交易に外国商人が参加して内地市場への交易拡大を試みるが、それに伴いジャンク船課税が問題とされる。この問題に関する海関資料も整理し、検討を加えた。
東アジア域内ならびに東アジアと東南アジア海域におけるジャンク船交易について、シャムに加えて琉球の事例に関する資料の検討を行い、両者のジャンク船交易の歴史的な背景と、19世紀中葉に至って本格化する条約交渉の中でのジャンク交易の位置について検討を行った。
これらの資料検討の成果の一部を、研究代表者は2022年12月3日に沖縄歴史博物館で行われた沖縄教育委員会主催の「『歴代宝案』訳注本刊行記念シンポジウム」の基調講演において「歴代宝案から考えるグローバルヒストリー:東アジア海域論の再構成」という主題で発表し、 琉球の朝貢貿易がイギリスからはジャンク船交易とみなされていることを検討した。また研究分担者は、「焦点: 近代シャムにおける王権と社会」として刊行した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍により海外資料調査を行うことが出来なかったため、これまでに収集した資料とそれに関連する刊行資料を総合的に検討し、ジャンク船課税問題が内地市場の開拓にどのようにつながるのか、という点について検討した。
中国海関の貿易統計に表われるジャンク船は、歴史的な朝貢貿易におけるジャンク船が想定されており、19世紀中葉以降そこへの課税問題が現実味を帯びてくる。これと並行して、中国沿海交易並びに内陸河川交易におけるジャンク船の役割が注目され、通行証を利用した外国商人によるジャンク船の借り上げによる内地交易の拡大が図られる。
これらの過程における貿易統計ならびにジャンク船統計資料の整理と検討を進めた。しかし、本格的なアーカイブ調査を実施できなかった。

Strategy for Future Research Activity

19世紀中葉から、外国商人のアジア間交易が拡大するに伴い、中国沿岸のジャンク船交易が重要視されてくる。南シナ海をめぐるジャンク船交易の実態は、シンガポールと香港における貿易統計の分析が重要になってくる。これまで延期を余儀なくされてきた海外調査を行うことにより、資料収集を行いつつ総合的な検討を進めていく予定である。

Causes of Carryover

2022年度はコロナ禍により計画していた海外資料調査を実施できなかったが、2023年度は、香港ならびにタイを中心に資料調査を行い、成果の発表に向けた取り組みを行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「国王モンクットとシャム・イギリス修好通商条約(1855)」2023

    • Author(s)
      小泉順子
    • Journal Title

      『国立歴史民俗博物館研究報告』

      Volume: 第239集 Pages: 75-94

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「歴代宝案から考えるグローバルヒストリー:東アジア海域論の再構成」2022

    • Author(s)
      濱下武志
    • Organizer
      沖縄県教育委員会史料編纂室
    • Invited
  • [Book] 『世界歴史 17 近代アジアの動態 19世紀』 小泉順子「焦点: 近代シャムにおける王権と社会」239-2602022

    • Author(s)
      吉澤誠一郎・林佳世子編集責任
    • Total Pages
      304
    • Publisher
      岩波書店
    • ISBN
      9784000114271

URL: 

Published: 2023-12-25  

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