2022 Fiscal Year Research-status Report
企業とNPOの組織間関係を成功に導く協働マネジャーの役割と能力の解明
Project/Area Number |
21K01624
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大倉 邦夫 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (60634722)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会的協働 / 協働マネジャー / セクター横断的協働 / ソーシャル・ビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業やNPOなど異なるセクターの組織が協力し、地球環境問題、少子高齢化の問題、貧困の問題、地域社会の活性化など、多様な社会的課題の解決に取り組む現象に注目し、そうした組織間の協働関係を成功に導く協働マネジャーの役割を解明することを目的としている。 2022年度は、セクター横断的な協働事例として、大阪府大阪市の特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっとを取り上げ、インタビュー調査・フィールドワークを実施した。IKUNO・多文化ふらっとは、大阪市生野区において2022年4月から小学校跡地を活用して株式会社RETOWNと共同事業体を構成し、多文化共生のまちづくりに取り組んでいる。 インタビュー調査は、IKUNO・多文化ふらっとの理事であり、この協働事例の中心人物の一人である木村和弘に行った。本調査から、協働マネジャーの役割として、ミッションのすり合わせ、事業化に必要な資源動員、パートナーの特徴を反映させた協働計画の策定、円滑な協働関係の構築などが示された。 特に、本事例はミッションのすり合わせが重要になることを示唆している。IKUNO・多文化ふらっととRETOWNはこれまで取引関係はなく、互いについて十分な情報・知識がない中で事業を進めていくこととなった。そのため、協働マネジャーである木村はそれぞれの組織の特徴(強み・弱み)を共有しつつ、解決すべき課題の確認、解決のアプローチ、さらには事業のミッションを丁寧にすり合わせていくことの必要性を強調していた。 今後は、本調査結果の信頼性・妥当性を検証するためにも、他事例との比較研究に取組みつつ、研究成果を論文にまとめていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は事例研究に取り組むことを計画していた。当初の計画通り、特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっとにインタビュー調査、フィールドワークを実施した。また、この調査を通して、関係者とのコネクションが形成されたという成果も得られたこともあり、今後は事例に関わった他の関係者へのインタビュー調査も計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続きインタビュー調査・フィールドワークに取り組んでいく。具体的には、特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっとと株式会社RETOWNの協働事例について、より幅広い関係者にインタビュー調査を実施していく。また、この協働事例との比較事例についても、選定・調査を進めていくことを計画している。 その上で、研究の成果を論文あるいは書籍にまとめ、公表していく。
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Research Products
(1 results)