2023 Fiscal Year Annual Research Report
企業とNPOの組織間関係を成功に導く協働マネジャーの役割と能力の解明
Project/Area Number |
21K01624
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大倉 邦夫 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (60634722)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会的協働 / セクター横断的な協働 / 協働マネジャー / 組織間関係 / ソーシャル・ビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業やNPOなど異なるセクターの組織が協力し、地球環境問題、少子高齢化の問題、貧困の問題、地域社会の活性化など、多様な社会的課題の解決に取り組む現象に注目し、そうした組織間の協働関係を成功に導く協働マネジャーの役割を解明することを目的としている。 2023年度は、広島県福山市において多様なセクターの組織と協力し、繊維製品のリサイクル事業に取り組む、株式会社エコログ・リサイクリング・ジャパンにインタビュー調査を実施した。具体的には、同社の設立から現在に至るまで約30年間、事業に携わってきた取締役の田邉和男氏に、これまでの事業の経緯や課題、今後の展望等を伺った。 本調査を含めた研究期間全体の調査を通して、多様なセクターの組織との円滑な協働関係を構築するにあたっての協働マネジャーの役割は次の3点に整理された。それは、(1)社会的ミッションの提示による資源動員、(2)組織間学習の推進と組織間の信頼関係の構築、(3)事業の計画策定から成果検証と改善を含めた組織間関係のマネジメント、である。 また、本研究は協働マネジャーがリーダーシップを発揮し、事業に関わる多様な組織との円滑な関係構築に重要な影響力を有していたことを明らかにした一方で、協働マネジャーに過度に依存することによって協働マネジャーが交代した際に、事業に混乱が生じることの可能性、といった問題も指摘した。特に、こうした問題に対応していくためにも、企業は協働マネジャーが蓄積してきた組織間関係のマネジメントに関する知識やスキルを組織内に蓄積することが必要になることも、本研究から示された。こうした組織間関係を成功に導く組織の能力、という点は今後の研究課題としたい。
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Research Products
(2 results)