2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on organizational transformation of small and medium enterprises
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21K01628
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
小野 善生 滋賀大学, 経済学系, 教授 (80362367)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 組織変革 / 質的研究 / 企業家行動 / リーダーシップ / 中小企業 / 経営史 / イノベーション / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
中小の清酒製造業者を研究対象として、調査分析を継続している。フィールド調査に関しては、新型コロナウイルスの影響で現地に足を運ぶ機会が減少したが、受け入れ可能な清酒製造業者(滋賀県の清酒製造業者1社:愛知酒造有限会社)に対してはフィールド調査を実施した。 フィールド調査と並行して清酒の製品特性に関して、清酒のイノベーションに関して史的観点から類型化を昨年度より行っている。2021年度は、日本における酒の萌芽期から現在の清酒の原型である南都諸白が登場した安土桃山時代までの清酒のイノベーション分析を行った。2022年度は、江戸時代の清酒製造業におけるイノベーション分析を行った。この研究成果は、「清酒製造業における革新Ⅱ: 南都諸白から丹醸そして灘酒に至るイノベーションの史的考察」『滋賀大学経済学部研究年報』29巻(頁 1 ~ 25)として発表した。 これまでの研究成果については、しがだい資料展示企画展「近江酒造家の情熱と行動」という形で一般公開された(2022年7月5日から12月23日まで)。この企画展においては、来館者向けのギャラリートークを複数回実施し、特別イベントとして松瀬酒造株式会社杜氏の石田敬三氏とのスペシャルトークイベントを行った。ギャラリートークならびにスペシャルトークイベントは、中日新聞、毎日新聞の地方版で報道された。 理論的フレームワークとなる組織変革論に関しては、主要研究に関する渉猟を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響によって、フィールド調査の機会が限定的になることは予測できたので、そのための準を進めてきた。幸い、コロナ禍の中でも1社の調査が実現できたことは研究進捗の上で大きい。5類移行後に1社の調査(滋賀県の多賀株式会社)は確定した。 清酒のイノベーション分析の方も江戸時代まで終えることができ、明治・大正期の分析についても着手することが出来た。 一方、組織変革に関する先行研究の渉猟については、当初の予定よりは進捗しなかった。この原因としては、昨年度は、大学院経済学研究科副研究科長としての校務に時間が取られたことが考えられる。 このようにフィールド調査とイノベーション分析については、当初の計画通り進展したと言えるが、組織変革に関する先行研究のレビューは進捗しなった。よって、研究の進展としては、おおむね順調に進展していると評価するこができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、清酒のイノベーション分析(明治期から現在に至るまで)を実施し、清酒の製品特性を明らかにする。 継続中の滋賀県と高知県の清酒製造業者へのフィールド調査は、予定した調査計画を終えて、データの質的分析を実施する。ちなみに、調査対象は、滋賀県の清酒製造業者1社、高知県の清酒製造業者1社および高知県酒造組合を予定している。同時に組織変革に関する先行研究の渉猟も終えて、理論的分析視角を確定させる。 研究成果のアウトプットとして、清酒のイノベーション分析に関するもの、フィールド調査に関するもの、両者を総合したものを計画している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額がないため、記入しない。
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