2023 Fiscal Year Research-status Report
Time-series analysis of the relationship between management efficiency and organizational capabilities of the SME accommodation companies under drastically changing environment
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21K01631
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西村 宣彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00582553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 幸宏 長崎大学, 経済学部, 教授 (30229629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DEA分析 / 宿泊事業者 / 新型コロナウィルス感染症 / ダイナミックケイパビリティー / 旅館 / 5類移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年5月の新型コロナウィルス感染症の5類移行による小浜温泉、雲仙温泉の観光業への影響を調査するために、長崎県雲仙市の商工会に対して、小規模宿泊事業者の事業環境の変化についてインタビュー調査を実施するとともに、5類移行後極めて業績が良いと評価されている宿泊事業者の経営者ならびに従業員へのインタビュー調査を行った。その結果、コロナウィルスパンデミック全盛期に旅館経営や経営組織論に関する書籍を読むなどの知識獲得に努めた結果、毎日夕食時間終了後にafter action review を実施して、改善のサイクルを回すなどの取り組みを始め、その結果配膳の効率や顧客からの指摘の全員での共有、改善提案の実施などに繋げていることがわかった。 このように、コロナウィルス感染症ピーク期において生存のために必要な経営能力と5類移行時に急激に需要が伸びた状況に対応する能力とは異なること、コロナピーク期の経営者の過ごし方が重要であることなどが、定性的に明らかになりつつある。 そこで、他入力、他出力で事業者の効率性を分析する包絡分析法によって出力項目としてコロナピーク期の売り上げ減少・経費削減とコロナ回復時の現在の売り上げ急増、経費増大の二つを出力として、これらの効率性に及ぼす経営者の属性を明らかにすることとした。このためには5類移行後の決算時期のデータが必要であり、アンケート調査時期をさらに遅らせることとした。 また、すでにコロナ全盛期にインタビューを行った事業者のなかには倒産した事業者もおり、その状況についても商工会を通じて経緯を調査した。その結果も、本研究に反映させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
人文社会科学域(経済学部、多文化社会学部、教育学部)の学域長を任じられるとともに、今年度はFFGアントレプレナーシップセンター長も兼務しており、ほとんどを管理業務に充てざるを得ず、本研究へエフォートを割けなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院博士前期課程学生の研究テーマを本研究と関連させていくことによって、進捗を図る。
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Causes of Carryover |
当該年度は人文社会学域(経済学部、多文化社会学部、教育学部)の学域長の用務に加えて、アントレプレナーシップセンター長の用務が多く、エフォートがほとんど割けなかったこと、当初目的とした新型コロナウィルスによる経営への打撃の耐性を計測することに加え、新型コロナウィルスの5類移行による需要の急回復期での収益の向上におよぼす経営者の資質についても研究するため、使用額が生じた。 次年度は引き続き両用務を引き受けるが、博士課程前期学生も研究に携わらせることから、次年度は小規模宿泊者向けアンケート調査、その結果の分析および成果の発表を行い研究を完了させる。
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