2023 Fiscal Year Research-status Report
医療機関の高信頼性組織の構築に向けた脳神経科学を応用した経営学的研究
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21K01637
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20360117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 有希 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (20450231)
岩浅 巧 石巻専修大学, 経営学部, 准教授 (60850774)
芳地 泰幸 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (70736256)
山田 泰行 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80531293)
稲葉 健太郎 石巻専修大学, 経営学部, 助教 (70911783)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高信頼性組織 / 脳神経科学 / fMRI / リーダーシップ / 組織開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度では、当初の予定通り、首都圏の1病院にてWeb調査、fMRI調査を実施した。具体的には、一般看護師および管理職者を対象にしたWeb調査では、看護師におけるオーセンティック・リーダーシップ、組織内チームワーク、組織・組織成員に対する信頼、アサーション、パーソナリティ、ワーク・エンゲイジメント、心理的安全性に関する現状把握を行った。また、看護師長等の管理職者を対象にしたfMRI調査では、オーセンティックリーダーシップを測るために、予備調査を経て完成させた看護師のリーダーシップ発揮場面を想起させる2種類(オーセンティックリーダーシップと非オーセンティックリーダーシップ)の音声シナリオ(30秒×8セット、計16)を用意し、2種類の音声シナリオを交互に提示するブロックデザインで調査を実施した。具体的な調査プロトコルは、3D画像撮影(7分)、レスティング/安静(11分)、音声シナリオによる聴覚刺激提示時の脳内活動測定(ブロックデザイン:約8分)であった。それらの聴覚刺激提示時の脳内活動測定を行った。 結果として、Web調査では、46名(M=33.9歳,SD=8.2歳)の有効回答を得た.統計解析の結果、チームワークと心理的安全性の関連が認められたほか、「互いの長所を認め合う」「周囲から信頼される」「自分たちの職務とその目的を確認し合う」「仕事をうまく行うためのコツを伝え合う」などの実践が,結束力の強い看護組織づくりに寄与する可能性が示唆された。一方、fMRI調査については、聴覚刺激を提示した際の脳血流変化に関する解析を今現在実施しているところである。 これらの一連の結果の一部については、既に国内外での学会発表を実施しているが、最終年度にあたる令和6年度では、fMRI調査の詳細の解析結果を含めた、さらなる詳細の研究成果を、積極的に国内外に発信する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は、おもに以下の2点に着手した。 ①一般看護師および看護管理職者を対象にしたWeb調査:オーセンティック・リーダーシップ、組織内チームワーク、組織・組織成員に対する信頼、アサーション、パーソナリティ、ワーク・エンゲイジメント、心理的安全性の現状把握 ②看護管理職者を対象にした3テスラのMRI装置(シーメンス社製/ MAGNETOM Lumina 3T)を用いた、ブロックデザインを使用した聴覚刺激提示時の脳内活動測定 ①に関する解析を既に完了し、研究成果の発信も継続中である。②については、詳細の解析を実施しているところである。 以上、本研究プロジェクトは、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度における主要な活動は、以下の3点である。第一に、Web調査を通じて得られた一連の研究成果を継続的に発信すること。第二に、fMRI調査の解析を完了し、その成果を発表すること。第三に、Web調査からの自己報告データとfMRIによる脳活動パターンの変動を統合分析し、脳活動とリーダーシップ特性間の関係を統計的因果推論の手法を用いて探索する。このプロセスを通じて、リーダーシップの科学的理解を深めるための新たな知見を発見し、国内外に知見を発信すること。
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Causes of Carryover |
研究は概ね計画通りに進捗している。収支状況の差異について、予測外の事態に備えて見積もられた研究対象機関への移動費や、研究チーム内での臨時の緊急会議の開催に関連するものである。2024年度では、当初の計画通り、研究成果の国内学会、国外学会での発表に係る旅費やfMRI分析等に係る補助に必要な人件費を見込んでいる。
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[Presentation] Longitudinal study of communication in nursing organization using wearable sensors2023
Author(s)
Yuki Mizuno, Motoki Mizuno, Yasuyuki Yamada, Yasuyuki Hochi, Takumi Iwaasa, Kentaro Inaba, Emiko Togashi, Yumi Arai, Hidenori Hayashi
Organizer
AHFE International Conference on Human Factors in Design, Engineering, and Computing
Int'l Joint Research
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