2022 Fiscal Year Research-status Report
地方における新規株式公開企業の成長要因に関する実証研究
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21K01646
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
船岡 健太 九州産業大学, 商学部, 教授 (30615357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姚 智華 北九州市立大学, 経済学部, 講師 (00908147)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 新規株式公開 / IPO / 主幹事証券会社 / 地方銀行系証券会社 / アンダープライシング / ファミリー企業 / 地方企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
船岡健太・姚智華「地方銀行の証券子会社によるIPO支援 -九州FG証券のチャレンジを事例として-」『証券レビュー』第62巻第10号(2022年10月)では、肥後銀行および鹿児島銀行を中心とする金融グループである九州フィナンシャルグループの証券子会社である九州FG証券によるIPO支援業務への参入過程について同証券へのヒアリングをもとに記している。元引受業務未実施であった九州FG証券の同業務参入にあたって、関係当局からのアドバイスにもとづく求められる組織体制構築に向けての取り組み等に関する記述を行っている。また、文献サーベイより、地方銀行系証券会社がIPOにおける主幹事証券会社を担う場合、公開価格のアンダープライシング(公開価格の過小値付け)が小さくなる可能性について論じた。
船岡健太・姚智華「ファミリー企業の新規株式公開におけるアンダープライシングに関する実証研究」証券経済学会九州部会(2023年3月11日、福岡大学)では、ファミリー企業の創業者が経営に関与している企業のIPOにおけるアンダープライシングの程度が小さいことについて言及を行った。また、ファミリー一族の株式保有比率がアンダープライシングに対して有意な影響を有していない結果について報告を行った。この結果より、創業家一族の経営への関与および影響の大きさは、保有株式のボリュームでは計測することができないことが示唆される。ファミリーの何が経営に影響をおよぼしているのかに関する探究は今後の課題であることについて述べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地方企業の新規株式公開を促進させるプレイヤーとして期待される地方銀行系証券会社のIPO支援の内容について把握することができた。この内容把握に関しては、今後における地方銀行の役割に着目する実証研究のリサーチデザインの構築の貢献するものであると考えている。また、ファミリー企業のIPOアンダープライシングに関する実証研究の実施により、同トピックの研究課題を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後においては、論文報告により得たフィードバックおよび、学会発表時に得たコメントをもとに、研究のブラッシュアップに取り組む予定である。引き続き、議論および検討を重ね、研究の精度を高めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
海外における報告ができなかったことなどにより残額が生じた。今後の使用計画については、実施することができていない海外報告等で経費を執行することを考えている。
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