2023 Fiscal Year Research-status Report
兼業・副業を活用した人材育成に関する実証的研究:ニューノーマル時代の新たな働き方
Project/Area Number |
21K01651
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
後藤 誠一 岐阜大学, 地域協学センター, 助教 (90758153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 栄 岐阜大学, 社会システム経営学環, 教授 (30275119)
松林 康博 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (70848580)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ワークライフバランス / ウェルビーイング / 地方中小企業 / リスキリング / 兼業・副業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新たな働き方として副業やテレワークを活用したワークライフバランスやウェルビーイングの実現に資する地方の良さを活かした働き方を検討し、その意義や課題を明らかにした成果が査読付き論文として日本都市学会年報 VOL.56に掲載された。 次に、企業の人材育成では、DX等を見据えたリスキリングやリスキリングと副業・兼業の関連も重要なテーマである。本年度は、リスキリング支援等を行う岐阜県、財団、リスキリング導入企業にヒアリング調査を行い、地方中小企業におけるリスキリングの現状と課題、今後のあり方について考察し、日本都市学会全国大会において報告した。 加えて、岐阜大学の高山ラボ(地域住民や企業人の学習・交流の場であるサテライト拠点)において社会人対象の兼業・副業の講演・研修の機会として「地域ラボ・高山フォーラム 2023 -地域の未来を「人」から考える- (2023年11月11日 )」に参加し、副業・兼業の現状と課題について講演を行ったほか、副業・兼業を実際に行っている方々とのトークセッション、その後の参加者との意見交換を行うことができた。現場の労働者にとって人材育成機会としての兼業・副業そのものへの興味関心は高く、個人の成長において可能性があるものの、兼業・副業推進やそれを人材育成と効果的に連接するには中小企業の経営層の学習や理解が求められることが明らかになった。 以上の研究成果から、リスキリングを含む人材育成機会としての兼業・副業やその可能性を検討するには、現場労働者の現状やニーズ把握はもとより、経営者等中小企業の経営層の理解や学習の場の視点も重要であり、それらの観点も踏まえた学習機会の提供や能力開発プログラムの検討があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種調査の分析や行政、団体、企業への調査により兼業・副業に関連する新しい働き方、リスキリングといった人材育成の現状や課題を把握することができた。また、これまでの研究成果を活用して兼業・副業について学習の場を提供できたことや、現場の労働者や企業の聞き取る機会を設けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
能力開発プログラム開発に寄与する労働者の学習機会をつくることができたが、兼業・副業そのものができるかどうかは経営者の理解が重要であること、テレワーク等の新しい働き方やリスキリングといった学びのあり方も踏まえた検討が必要なことが明らかになった。そのため、今後は、現場の労働者の成長に加えて経営者層の研修機会につながる能力開発プログラムについても検討を続けたい。
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Causes of Carryover |
学会、研究会、打合せ等がオンライン実施であったことから使用金額が抑えられていたが、現地調査等での出張や学会等の対面開催が増えてきたことから、今後出張旅費や現地調査に必要な物品・資料購入等に使用する予定である。
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