2021 Fiscal Year Research-status Report
スタートアップ・エコシステムの発展におけるアクセラレータの役割:アジアの事例研究
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21K01669
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Research Institution | Asian Growth Research Institute |
Principal Investigator |
岸本 千佳司 公益財団法人アジア成長研究所, 研究部, 准教授 (70334026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 智治 長崎県立大学, 経営学部, 講師 (50845013)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アクセラレータ / スタートアップ / エコシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年スタートアップ成長促進の主要なインフラとして注目される「アクセラレータ(accelerator)」の活動に焦点を絞り、アクセラレータがアジア(日本・台湾・中国)のスタートアップ・エコシステムの発展において如何なる役割を果たし、どのような貢献をしているかを解明することが目的である。R3年度はプロジェクト初年度で、関連文献・資料の収集・整理、および台湾と日本での現地調査と事例分析を可能な限り実施する予定であった。研究実績としては、主に次のようなことがある。 第1に、アクセラレータおよびスタートアップ・エコシステムに関する理論的研究および事例研究について、既存文献・資料の収集・整理を行った。とりわけアクセラレータに関しては、日本語の論文が少ないため、先ず英語圏での関連研究について調査し、文献サーベイ論文を執筆した。これにより英語圏でのアクセラレータに関する研究動向について、その流れ、主な到達点、課題について把握した。 第2に、台湾と日本での事例調査研究について、関連文献・資料の収集・整理を適宜行った。この他、当初の計画では、アクセラレータやスタートアップに対する訪問調査も実施し独自の取材による情報収集も行う予定であったが、コロナ禍による行動の制約があり、不十分にしか実施できなかった。それでも、以前に実施していた調査の記録や、R3年度中に行ったオンラインによる面談調査の結果を踏まえ、事例研究論文もしくはそのドラフトを執筆し、多少の進展はみられた。第3に、関連するテーマでの学会発表、セミナーでの報告もおこなった(以上で言及した研究成果の具体的な内容については、「研究発表」欄をご参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、アクセラレータが国・地域のスタートアップ・エコシステムの発展において如何なる役割を果たしているかを解明することが目的である。台湾と中国および日本国内の幾つかの地域を調査対象とし、事例研究を積み重ねることをプロジェクトの重要な内容としている。そのために、各地域(台湾の台北エリア、日本の首都圏と地方圏〔福岡・北九州〕、中国の上海エリアを予定)でアクセラレータやスタートアップ等に対する訪問調査を(プロジェクト全期間で)数件~10数件ずつ実施することを予定している。 これに関しては、コロナ禍による行動の制約があり、R3年度は不十分にしか実施できなかった。国内外での出張を自粛したため(もしくは事実上不可能であったため)、予算の執行でも、滞りが生じた。 ただし、(件数は少なかったが)オンラインでの面談調査や以前に行っていた調査の記録を活用し、また、既存文献・資料の収集・整理に力を入れたことにより、プロジェクト初年度としては、まずまずの成果があがった。そのため、R3年度に関しては、「おおむね順調に進展している。」と自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトはR3年度~R6年度の4年計画である。R3年度は、上述のように、コロナ禍の影響で国内外の出張・現地調査が予定通りは実施できず、若干の滞りがあったものの、「おおむね順調に進展している。」と自己評価している。 プロジェクト期間中に、調査対象地域(台湾の台北エリア、日本の首都圏と地方圏〔福岡・北九州〕、中国の上海エリアを予定)の各々で、アクセラレータやスタートアップ等に対する訪問調査を数件~10数件ずつ実施し、それを踏まえて事例研究を積み重ねることを予定している。コロナ禍やその他の状況に応じて若干の変更を余儀なくされる可能性はあるが、出来るだけ対策を講じて、予定に近い形で実施するように努力する。例えば、面談調査において、直接訪問しにくい場合は、オンラインや文書を通したやり取りで代替するといったことである。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、コロナ禍の影響により、予定していた国内外の出張(国外は台湾、国内は関東・関西方面)が実施できず、それに伴う旅費や物品費、人件費・謝金の支出が当初計画より大幅に少なかったことである。 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画については、コロナ禍の状況によるが、もし可能なら、国内外の出張を予定通り(もしくは、予定より少し多めに)行うことでかなりの金額を支出する。もし出張による直接的な面談調査が困難な場合は、出来る限りオンラインや文書でのインタビューに切り替えるように努力し、それに関する人件費・謝金(資料の整理、通訳・翻訳作業等に対するもの)が相当額に上ると予想される。加えて、物品(文献、OA機器、文具等)購入にも相応の支出を行う。
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Research Products
(6 results)