2021 Fiscal Year Research-status Report
ミクロ的基礎付けによる制度維持の新しい理論枠組みの探究
Project/Area Number |
21K01680
|
Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
金 倫廷 北海学園大学, 経営学部, 講師 (20611255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 博司 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (50152187)
古田 駿輔 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (40879673)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | アイデンティティ / 制度 / 制度化 / 制度維持 / ミクロ的基礎付け |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、相互作用の主体である人間や人間行動に注目したミクロ・ダイナミズムのアプローチを採用し、新制度派組織論とアイデンティティ論の視点から、制度維持メカニズムについての理論モデル構築とその検証を試みる。そこで、研究の効率的に進めるために次の3つの研究課題を設定している。第1にアイデンティティの異質性とサブ制度間の摩擦はどういう関係性を有して いるか、第2にサブ制度間の摩擦がどのようにして新しい制度の定着と維持を妨げるか、第3に不安定な 社会において制度はどのように定着・維持されるかである。 研究初年度である2021年は、当初の予定通りの理論モデル構築を目指し、個人レベルと組織レベルのアイデンディティと制度の関係に関する丹念な文献レビューと実務家インタビューを実施した。その成果の一部は論文としてまとめられ、2022年9月開催のイギリス経営学会(British Academy of Management)の年次大会BAM2022で報告する予定である。また、同時期開催の日本経営学会第96回大会での報告も決まっており、ピアレビューを通じて理論モデルをさらに洗練させるための準備を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は当初、大きく理論モデル構築と実証分析 の2段階で実行していくことを計画していた。研究初年度の主な計画は、文献レビューによる理論モデルの構築であった。初年度の研究成果は論文にまとめて提出され、次年度の海外の学会で報告することがすでに決まっており、次年度以降のピアレビューを通じた分析モデルの精緻化と実証分析に向けて順調に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
理論モデルの精緻化と実証分析を当面の課題とし、学会報告等で研究成果を積極的に発信するとともにフィードバックを通じて実証可能な分析モデルを構築していきたい。また定性データを収集すると同時に、定量分析の可能性についても十分に検討したい。
|
Causes of Carryover |
新型コロナの影響により、国内研究出張が実行が難しかったため、次年度使用額が生じた。
|