2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K01688
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 達彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (40296281)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ビジネスモデル / スタートアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、成長著しい中国スタートアップの比較事例研究についての論文を共同執筆し、『マーケティングジャーナル』(招待査読)に掲載することができた。この研究では、収益モデルや価値創造の方法に注目し、顧客との活発な相互作用によって価値創造をしている中国のショートムービーアプリを分析することで、価値創造と獲得の整合性と、マーケティング研究におけるビジネスモデル概念の意義を探ることができた。 さまざまな視点と方法から当該テーマについての研究を進めるために、共同で文献サーベイを行い、事例や実証データにかかわるデータベースを構築し始めている。ビジネスモデルの研究はトップジャーナルに掲載されにくいと考えられているが、この数年で急速に著名なジャーナルへの掲載が進んでいることが判明した。 調査方法については、プログラミングに詳しい共同研究者の協力を得て、テキストマイニングについての最新の手法が活用できる体制を整えることができた。注目すべきは機械学習を用いたテキスト分析の手法で、海外のトップジャーナルでもこのような手法を用いた研究が目立つようになってきた。 機関投資家やベンチャーキャピタリストの協力を得て実現したインタビュー調査や実験調査についての解析も順調に進められている。また、次なる調査に向けて、実証調査向けの目論見書のデータベースの構築も進んでいる。スタートアップの実務では、創業者の経歴・実績や創業チームのメンバーの経歴・実績によって投資判断がなされていると言われるが、最新の研究によればビジネスモデルも投資判断に影響を及ぼすことが明らかになっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1 急成長する中国スタートアップのビジネスモデルの比較研究を、共著で『マーケティングジャーナル』(招待査読)に掲載することができたため。 2 研究室で共同で文献データベース(Zotero活用)を構築できたため。 3 機関投資家へのインタビュー調査について、テキストマイニングを行えたため。 4 機関投資家への実験調査が進展したため。 5 決算報告書からビジネスモデルのポートフォリオを測定した実証分析が進んだため。
|
Strategy for Future Research Activity |
1 前年度に分析を進めた研究について、学会誌に投稿するために執筆作業を進める。 2 機関投資家やベンチャーキャピタリストならびに有識者に企業価値を高めるビジネスモデルについてのインタビューを行う。 3 フィールドで得られたデータについて適切な学術概念で分析できるように、文献調査を進める。 4 インタビューデータについてテキストマイニングできるように、各種手法について学ぶ。 5 目論見書を用いた実証調査に向けてデータを入力する。
|