2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of ESG investment model
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21K01698
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八木 迪幸 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (50708550)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ESG投資 / 株価・商品価格 / 包絡線分析 / 産業連関分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、企業のESG(E環境、S社会、Gガバナンス)開示指標の作成方法について検証し、独自のESG開示指標を開発することと、企業のESG開示や実践が企業業績にどのように影響しているのかについて検証できるようなESG投資モデルの開発研究を行うことである。このために、まずESG開示(実践)スコアを開発する。そしていくつかの金融機関やシンクタンクが公表している既存のESG開示スコアと比較し、これらのスコアの信頼性を検証する。そして、まずESG指標と財務業績との関係を非線形モデルで検証し、リスクとしてのボラティリティ(株価変動率)を考慮した包絡線分析(DEA)を用いて分析する。 今年度は、ESGデータと株価情報のデータ整理を行い、包絡線分析モデルの理論研究を行った。これは、市場のポートフォリオを考慮した効率性を推計するため通常の包絡線分析モデルではなく、二次錘計画(Second-order cone programming)を用いた理論モデルの構築にMatlabで取り組んだ。また分析の補足として、2022年のロシアのウクライナ侵攻における原油価格上昇(コモディティプライスの上昇)が、いかに世界経済に波及するかの分析を産業連関分析で行った。結果として原油価格(生産側の価格)が外生的に20%上昇すると全世界で3.15%の価格上昇(加重平均)がもたらされることが判明し、この分析でどの国・セクターがエネルギー価格の上昇に影響を受けやすいかが示唆されたため、この成果を今後のESG指標の作成に応用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はESG投資モデルの開発のためのデータ収集とモデル構築の研究を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は収集したESGデータと株価データを用いて、ESGスコアが高い場合どの程度市場効率性を有するのかを推計する。
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Causes of Carryover |
今年度は実際のモデル計算にまで至らずに試験的にデータ整理とモデル作成を行ったため、費用が少なかった。次年度はモデル計算のために、株価等のデータ使用料、PC・ソフトウェアなどに使用する。
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Research Products
(2 results)