2021 Fiscal Year Research-status Report
建築分野における専門性を軸とした職種変更後の適応プロセス
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21K01717
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西野 佐弥香 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00611336)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 職種変更 / 専門職 / 適応プロセス / 建築技術者 / キャリア形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年、建築分野で誕生している新興専門職について、急速な需要の拡大に対して人材育成に期間を要するため、既存の専門職が職種変更して主な担い手となっていること、しかしながら実際には職種変更に適応しきれない場合もあり、その適応プロセスは十分にわかっていないことに着目し、建築設計職から新興専門職である建築マネジメント職への職種変更を対象に、専門職の職種変更における適応プロセスをモデル化し、専門性の変容と有効な支援について明らかにすることを目的とするものである。 2021年度は建築設計職と建築マネジメント職の専門性について文献調査を行い、両専門職の歴史的経緯、法的位置づけ、建築プロジェクトにおける契約関係、建築プロセスにおける各段階の業務内容について比較検討を行った。その結果、専門性の変容の概念的枠組み(①専門性の新たな獲得②既存の専門性の活用③既有の専門性の調整)を得た。 さらに、既有の専門性の調整について、文献調査から具体的な調整内容を検討すると共に、建築専門職から建築マネジメント職への職種変更者に関する事例を収集し、検討を行った。その結果、①視点の切り替えと視野の拡張②建築プロジェクトに対する主体性の発揮の仕方③業務に関する成果の出し方の3点について、既有の専門性の調整が必要となることを指摘した。なお、今回収集した事例はいずれも本人の希望による職種変更であるため、所属組織による異動命令など、本人の希望によらない職種変更の場合については別途検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に予定していた、文献調査に基づく専門性の差異の質的把握および適応プロセスの職種変更者本人を対象とした事例収集はおおむね完了し、2報の会議論文にて概要を報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はさらなる事例の収集・分析を進めると共に、TEA手法による適応プロセスのモデル化に取り組む。
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Causes of Carryover |
東京で対面によりインタビュー調査を実施する予定だったが、新型コロナ感染拡大状況および調査相手方のテレワーク導入によりオンラインによるインタビュー調査に切り替えたため。2022年度は対面でのインタビュー調査を追加実施する予定である。
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Research Products
(2 results)