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2023 Fiscal Year Research-status Report

大学発イノベーション創出のための産学連携部門・TLOの組織メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 21K01718
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

坂井 貴行  神戸大学, バリュースクール, 教授 (40539821)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 忽那 憲治  神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00275273)
井内 健介  徳島大学, 研究支援・産官学連携センター, 准教授 (20546337)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords経営学 / 組織メカニズム / 技術移転 / 産学連携
Outline of Annual Research Achievements

産学官連携は大学等の活性化と我が国の発展に大いに寄与するものであり、その一層の充実・強化が求められている。しかしながら、我が国では、大学等を核とする産学連携施策の進展にも関わらず、国際的に見ても大学等の研究成果の社会的活用やそれを支援する組織の点で充実しているとは言い難い。日本の産学連携組織(大学等の産学連携部門・TLOなどの技術移転機関)においては、成果・収入を経年的に向上させている優良組織とそうでない衰退組織の二極化の傾向があり、一因として各組織が属人的な業務を行っていることが考えられる。本研究では、大学・研究機関における産学連携組織の成功要因を精査するために衰退する要因に着目し「衰退しない要因」を導出する。インタビュー調査や組織に関する一次データを用いた質的比較分析を実施することで、大学・研究機関・TLO等の産学連携組織のガバナンスの在り方など、我が国の抱える大学・研究機関における産学連携組織の問題点を明らかにする。それにより、大学発イノベーション創出のための産学連携部門・TLOの組織メカニズムの解明に取組む。

令和5年度は、日本の産学連携に関する全国レベルのデータを用いて、技術移転機関(TLO)を組織構造に基づいて3タイプ(内部型・外部一体型・外部広域型)に分類し、その違いが大学の技術移転パフォーマンスに及ぼす影響を分析した。ポアソン回帰と母集団平均モデルを用いて次の2つの仮説を検証し、支持的な結果を得た。(1)外部TTOを利用する大学は、内部TTOを利用する大学よりも特許ライセンス収入の面でより良いパフォーマンスを示す、(2)小規模大学は外部統合型の専用TTOを利用する方がより良いパフォーマンスを示す可能性が高い。 これらの結果をまとめ、組織科学に掲載された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和5年度は、日本の産学連携に関する全国レベルのデータを用いて、異なるタイプの技術移転オフィス(TTO、TLO等)が大学の技術移転パフォーマンスに及ぼす影響を調査した結果を学会誌に投稿することができた。しかしながら新型コロナ感染症拡大の影響からインタビュー調査にやや遅れが生じており、研究期間を1年延長することとなった。

Strategy for Future Research Activity

衰退要因の分析とメカニズムを解明するため、質的比較分析を行う。インタビュー調査により、これまで積極的に取り上げてこられなかった産学連携組織のデリケートな情報を体系的に収集する。次に技術移転のプロジェクトの成功群と失敗群のそれぞれを内包させた組織事例に関する一次データを用いた質的比較分析(fs/QCA)を実施する。これにより、大学のシーズを活用した産学連携プロセスの価値連鎖の解明に繋げる。

Causes of Carryover

新型コロナ感染症の影響により、年度初めに予定していたフィールドリサーチの全てを実施することができなかったため、旅費の執行ができなかった。次年度は、積極的にフィールドリサーチを行い、産学連携組織のデリケートな情報を体系的に収集していく予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Organizational Structures and Performance of University Technology Transfer: An Empirical Analysis in Japan2023

    • Author(s)
      池内 健太、林 侑輝、山田 仁一郎、清水 勇吉、坂井 貴行
    • Journal Title

      組織科学

      Volume: 56 Pages: 20~36

    • DOI

      10.11207/soshikikagaku.20230712-2

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] TLOとの関係は大学の技術移転収入にどのような影響を与えるか:日本のサーベイデータ を用いた実証分析2023

    • Author(s)
      池内 健太、林 侑輝、山田 仁一郎、清水 勇吉、坂井 貴行
    • Journal Title

      SciREX Working Paper

      Volume: SciREX-WP-2023-#01 Pages: 1~32

    • DOI

      10.24545/0002000006

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] TLOのトップマネジメントと技術移転パフォーマンス -日本における外部型TLOの実証分析-2023

    • Author(s)
      坂井 貴行
    • Organizer
      2023年度組織学会研究発表大会
  • [Presentation] TLO経営者の職務経験は技術移転パフォーマンスにどのような影響を与えるのか ー 日本における外部型TLOの実証分析 ー2023

    • Author(s)
      坂井 貴行
    • Organizer
      日本ベンチャー学会 第26回全国大会
  • [Presentation] 学生スタートアップに関する自然科学分野の大学院生の起業意図2023

    • Author(s)
      井内健介, 坂井貴行, 清水勇吉, 忽那憲治, Hyung Jun Kim
    • Organizer
      日本ベンチャー学会 第26回全国大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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