2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on effectiveness of open-innovation for research and development in Japanese pharmaceutical industry
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21K01719
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒木 啓充 九州大学, 経済学研究院, 助教 (60572823)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オープンイノベーション / 創薬 / 製薬会社 / 産学連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、様々な分野でオープンイノベーションによる外部技術・知識の導入による製品・商品開発が行われている。製薬企業においても各社ともオープンイノベーションを進めているが、本研究では製品特性に基づいて医薬品のイノベーションの程度を定義し、オープンイノベーションやその連携形態が医薬品のイノベーション向上にどのように寄与しているかを明らかにすることを目的とする。 2021年度は、製薬企業の外部連携について特許申請の出願パターンに関するデータを構築した。具体的には、特許情報検索サービスHYPAT-i2を用いて、国内製薬会社で売上高上位10社(2020年度)について、出願日が2007年1月1日ー2019年12月31日までの特許を分析対象とした。出願日を2007年1月1日に設定した理由としては、国内の代表的な製薬企業が主導し、アイデア公募型のオープンイノベーションが実施されてきたのが2007年頃だったからである。グループ会社は同一の出願とみなし、出願パターンを次のように分類した。①単願、②産産、③産学、④産産学、⑤産官、⑥産産官、⑦産官学、⑧産産官学、⑨産個、⑩産産個。なお、「個」は出願人が個人の場合である。出願パターンを細かく分類したのは、本研究では製薬企業の外部連携の有無についての分析に留まらず、その連携形態についても分析対象としたためである。 この結果、以下の点について明らかになった。a)近年、国内製薬会社の特許出願数は減少傾向にある、b)全出願に対する単願が占める割合は2007~2019で大きな変化はない、c)非単願の出願パターンで、「学」を含む出願割合は増加傾向であった。なお、上記の成果は、オンラインで開催された日本薬学会第142回年会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、製薬企業の外部連携について1)特許出願、2)論文発表からデータ構築を行う予定であった。前者は予定通りデータの構築が実施できた。後者については、製薬企業と外部機関(民間、公的研究機関)の論文の共著者の所属データを米国国立衛生研究所の国立医学図書館が運営する文献データベースPubMedから入手予定であったが、PubMedでは2014年以前の論文は第一筆頭著者の所属しか掲載されていないことが明らかになった。このため論文発表における外部連携のデータ構築については遅れが生じている。2014年以前の論文はフルペーパーへのアクセスができないものも含まれ(所属大学の契約雑誌の観点から)、論文発表から外部連携に関するデータについてはどのように取り扱うかを2022年度以降に再検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は医薬品のデータ構築を実施する。具体的には2007年以降に承認された医薬品について、独自に定義したイノベーションの程度に基づき分類する。
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Causes of Carryover |
2021年度はコロナ禍もあり、データ構築、分析補助の人員が確保できなかったため人件費が発生しなかった。また、コロナ禍のため参加予定の学会がオンライン開催となり旅費の発生がなかった。2022度は補助作業がオンラインでも実施できるよう工夫し、人員の確保、及びそれに伴う人件費を執行する予定である。
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Research Products
(2 results)