2021 Fiscal Year Research-status Report
タレント識別における従業員行動に関する実証研究:本社と海外子会社間の認知ギャップ
Project/Area Number |
21K01721
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
笠原 民子 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (40523189)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | タレント識別 / 本社子会社間の認知ギャップ / 従業員行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、グローバルタレントマネジメント(GTM:Global Talent Management)研究におけるタレント識別に焦点をあて、日本多国籍企業(MNCs:Multinational corporations)本社、あるいは地域統括本社(RHQs:Regional headquarters)と海外子会社との間にあるタレント識別に与える諸要因と従業員行動に与える影響について理論的、実証的に考察することにある。先行研究では、本社と海外子会社間に介在する物理的、文化的、制度的距離、本社の意思決定者とタレント候補者間の認知的ギャップ等の諸要因がタレント識別に与える影響に関心が寄せられている。しかしこれら研究は緒についたばかりであり、主に欧米の研究者によって欧米の文脈で定性的に実証されている。日本やアジアの文脈を踏まえ、かつ定量的手法によって考察した研究は皆無である。本研究は、日本を含めたMNCsのデータを用いてタレント識別に与える影響を考察しGTM研究及び日本MNCsに貢献することを目的とする。 初年度であった2021年は、本研究の概念フレームワークの構築を目指し、タレント識別に関する文献のレビューを通じてそれに影響を与える諸要因の変数及びその測定項目を探索、検討することを目標としていた。また、現在申請者が国内外の研究・調査活動で関係を構築してきたMNCsの方々に、本調査へのご協力を打診するとともに、探索的インタビュー調査を依頼することも計画していた。 実際に、2021年度は計画通り、本研究の概念フレームワークの構築を目指し、タレント識別とそれに影響を与える諸要因について、文献レビューを通じて明らかにした。この成果は論文として出版した。また、本調査を実施する企業の開拓にも力を注いだ。コロナ感染拡大の影響から、対面での調査を実施することはできなかったが、オンラインにて意見交換を行うことはできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、文献レビューを中心に概念フレームワークの構築を行った。コロナ感染拡大とは関係なく文献レビューを行うことができた。また、その成果を論文として出版することもできた。しかし、調査対象企業の開拓という点では、対面での依頼、意見交換を行うことができなかったため、オンラインにて実施した。本調査の趣旨等やさらなるご協力を得るために、2022年度に対面での調査等を積極的に行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の文献レビューによる概念フレームワークの構築を行い、調査対象企業の開拓に努めてきた。2022年度は計画通り、対面での調査依頼、探索的インタビュー調査を実施し、定量調査の実施に向け着実に研究計画を進めていく。
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Causes of Carryover |
対面調査の実施等ができなかったために旅費が余ってしまった。こちらについては2022年度に実施する探索的インタビュー調査等の費用に充てる。
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